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番外:岬ができる要因はなにか(岬・崎・鼻データベース=その4) [番外DB]

 “ジオ・パーク”というのがあるのだそうである。昨日の朝のニュースでは、山陰海岸が指定されるとかできないとか、また例によって例の如き騒ぎがあるらしい。でんでんむしに言わせれば「世界遺産もミシュランも、なにもかももうええかげんにせんかい!」というところだ。
 そのうえ、今度はジオ・パークときた。何を今さら…。
 岬めぐりをしているでんでんむしにとっては、日本中至るところすべてがジオ・パークである。
 どんなところでも、有名でなくても、名もない名所・観光地でなくても、指定も登録もされなくても、これがわれらの国土なのだ、という思いでいつもどこでも歩いている。
 これも後知恵だが、岬をめぐると、その足跡は期せずして“この国のかたち”をなぞっていることになる。もちろん、伊能忠敬はでんでんむしが高校生の頃から尊崇している数少ない日本人のひとりで、ことさらにこんなところで安易に持ち出すのはまことに恐れ多いことながら、いつもその苦労を偲びながら歩いている…。

 さて、前回のデータベース3では、これまで歩いてきた、見てきた岬・崎・鼻の数々を整理しつつ、岬の基本形について、類型的なパターンを見たが、これも素朴な疑問ながら、今回は「岬・崎・鼻ができるまで」を考えてみようと思う。
 とはいうものの、その多くは東アジアの端っこに弧状列島が形成される、人類前史のことであり、おまけに学究の徒でもないので、専門的にこれを考察しようというのでもない。
 いつものことながら、極めて感覚的かつ印象的なもので、そのアプローチは、もっぱら想像力のみを働かせ、イメージの世界に遊んでみる。
 
 名前のあるなしに限らず、日本中の突端、出っ張りが、なぜそのような形になって、今に残っているのだろうか。

 その原因として考えられる要素を、いくつかあげてみた。これらは、それぞれが単独である場合もあれば、いくつかの要素が複合的に重なっている場合とが考えられる。

▲岬の成因
  これまでにめぐってきたいろいろな岬とその周辺の風景を思い浮かべながら、岬ができるまでの根本的な原因を、まずいくつか考えてみると、およそ以下のようになる。

1■隆起
 岬の地盤が地殻変動によって持ち上げられた。
2■沈降
 岬周辺の地盤が地殻変動によって沈められた。
3■隆起と沈降が同時
 岬の周辺で、隆起と沈降が同時に起こった結果。

 この1から3までの成因は、いずれも造山運動が盛んな時代に、地球の全域に渡って起こったことで、これが岬の成因のほとんどであることは、いうまでもない。
 しかしながら、わが日本列島の場合とくに中小のでこぼこが多くなったのは、どちらが先とは言い難いものの、山岳地帯が多くて平野が少ない地形であったから、岬・崎・鼻も自然多くできてしまった、と考えることはできる。

4■川の堆積と侵食
 雨が降り、その流れが地形を変えるという作業は、気が遠くなるような長い歳月をかけて行なわれる。水の流れが川となり、周辺の土砂を削り、岩石を転がし、やがて細かい砂となった土砂を、海に向かって吐き出す。
 こうした、川の活動が、岬をつくる。これは次の5や6とも密接に関係する場合がある。

5■砂洲の形成(三角州・扇状地)
 川が運んできた砂は、海辺に溜まり、それが波に洗われ風に煽られて、砂浜をつくる。岬が、それの起点ないし終点になることが多く、同時に三角州や扇状地の先端部分が、岬になることもある。

6■島をつないで
 もともとは、陸地とは離れた島だったものが、上記5の作用によって、陸続きになり、岬になるというケースも考えられる。

7■周囲が流され崩落して残る
 造山運動によるものでなくとも、地震や自然災害などによって地盤に変化が起こることがある。
 これにより、周囲のやわらかい地盤が崩落したり流された結果、岬部分だけが残った、という場合もあり得る。

8■波浪の影響
 そうした地盤の変化は、通常の状態のままでも、波浪の影響で長い間に徐々に岬が形成されていく、ということもあるだろう。
 海岸に絶え間なく打ち寄せる波と強い風は、常に岬になんらかの影響を及ぼし続け、それは現在も進行中である。

9■岩の塊
 とにもかくにも、そういしたさまざまな成因によって岬がつくられたとして、その姿を現在にまで留めているのは、その地質による。
 ほとんどの岬・崎・鼻は、その周囲または岬の全体が岩の塊でできている。固い地質のおかげで、岬は今も岬たりうるのである。

10■森の形成
 それともうひとつ。岬を結果的に保護しているのは、その上に生い茂ってきた植生である。それは岩盤の上でもわずかな土壌を養成しつつ根をしっかりと広げて、岬を侵そうとする影響を最小限に食い止めている。

misakinokeisei-1.gif
(2008/12/11第一稿)


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コメント 2

knaito57

この「岬の成因」分類は詳細をきわめますね。どれもうなずけますが、日本に中小のでこぼこ(岬)が多いのは「山岳地帯が多くて平野が少ないから」という3の指摘がシャープだと思いました。まあ、野次馬としては原因よりも結果、つまりデータベース=その3の平面図から彷彿されるやうな「海岸線にせり出し、そそり立つ形」が最も岬らしいと思っています。
by knaito57 (2008-12-15 07:57) 

dendenmushi

@この図をアニメーションにしようと考えてきたのだけれど、どうも相当めんどくさいので、やめた。
 やっぱり、原因があって結果があるのですから。
 ひとつひとつ、岬もいろいろな顔と歴史をもっている。それを探るのもおもしろいとは思うのです。
by dendenmushi (2008-12-17 05:59) 

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