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643 焼山崎=石巻市小網倉浜(宮城県)黄色いブイのこどもたちに幸多かれと願う [岬めぐり]

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 牡鹿半島周辺の養殖漁業は、東海岸の北側では、ホヤ、ワカメ、ホタテの養殖が多く、カキの養殖場は出島の西や、女川港の南にある五郎部湾周辺に限られる。一方、半島の西では、ノリやワカメの養殖場も一部あるが、圧倒的にカキの養殖場が多い。いくつものでこぼこがある海岸は、比較的海も静かな入江が多く、しかも港からも近くて、すぐに船を出して行くことができる。
 大室崎の北に広がる海から南にかけて、君ヶ金崎、焼山崎、そして給分浜辺りにかけての海は、カキ一色なのである。それぞれの入江のところどころ開けたところにできている集落は、そうした養殖漁業に携わる人々が多く暮しているのだろう。
 南の海に向かって突き出した焼山崎は、その左右に鹿立屋敷、福貴浦、小網倉浜、清水田浜といった集落を抱え込んでいる。半島の道は起伏も多くて、バスはいくつもの峠を越えて南の鮎川浜に向かうが、焼山崎の根元にあたる小積峠を越えて下るところで、正面に岬と清水田浜に挟まれた細長い養殖場の海面が見えてくる。この先端に浮かんでいる小島は兎島だが、ここには岬はない。
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 清水田浜に降りると、焼山崎を右手車窓にみながら走るバスの横に、堤防に描かれた大原小学校のこどもたちの壁画が続く。最近、こういう既存の堤防の壁を利用した壁画は、あちこちで見かける。
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 前項で、宮城県産のカキ養殖技術である「はえ縄式」と「垂下式」の実際が、いまひとつよくわからなかったので、改めて調べようとしてみたが、やはりすっきりしない。ネットで検索しようとすると、PDFファイルが単体ででてくることが多くなったが、これはどこのどういう資料だか不明なものが多くて困るのである。
 今回も、“宮城県におけるカキ養殖とトレーサビリティ”というPDFをみたら、これがやはり誰が、いつ、どこで、なんのために、どうして書いたものかが、さっぱりわからない。まさしく“トレーサビリティ”が、欠落している資料である。
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 そのなかには、「カキ養殖は、1923年に開発された垂下式養殖法によって日本各地へ普及し、簡易垂下式、いかだ垂下式、はえ縄垂下式など地域・海域に応じた技術的な対応がなされ」とか、「垂下式養殖法、とくにはえ縄式垂下養殖法」というような記述まであって、こんがらかってしまう。
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 宮城での養殖の試みは、室町時代からの歴史を持つ広島から人を招いて技術移転を計ろうとしたが、それがどうもうまくいかなかったらしい。
 でんでんむしが知っている広島のカキ養殖は、ロープに種をつけたホタテガイの殻を通し、間に陶器の短い管を挟みながら千羽鶴をぶら下げるように重ねていく。このロープを何本か束にして、海岸に組んだ牡蛎ヒビ(竹で組んだ棚)や、沖合に浮かべたカキ筏から吊るすのである。
 前記PDFを読むと、「はえ縄式」の説明にこうあった。
 「種ガキを付着させた原盤(ホタテガイの殻)をロープに挟み込んで連ね、ブイ(浮)をつけて海面に延ばしたロープ(はえ縄)から吊り下げる養殖法。1952年に宮城県水産試験場等が開発した」
 ネットで見た別のページでは、ホタテ養殖で使うのと同じような青いカゴを使っている写真に、はえ縄式として説明があったりするので、どうも実態がわからないままである。まあ、ブイを繋げてロープをはり、そこから吊り下げるということだけは確かなようだ。それだけわかれば、ま、いいか。
 “調査と情報 2004. 3 調査研究”と冠したそのPDFには、こうも書いてある。
 「宮城県の場合は、主に企業的経営体がいかだ式の養殖方法によって生産している広島県と違い、ほとんどが漁家経営体によるはえ縄式養殖となっている。ちなみに、1経営体あたりの生産量でみれば、広島県48トン、宮城県4トンと規模的に大きな開きがある。宮城県におけるカキ産地は、気仙沼地区(県北部)、牡鹿半島地区(県中央部)、松島湾地区(県南部)に大別されるが、なかでも石巻市等牡鹿半島地区が生産の中心となっている。」
 なるほど。広島でも昔は個人経営者も多かったはずだが、そういう違いもあるのか。それに、まさしくここが、宮城産カキの中心の中心なのだ。
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 帰り道、給分浜の岸壁で、こんな光景にであった。
 広島のいかだ式の場合には、船は往来運搬のためが主で、小さい船が多かったような記憶があったが、それも昔の話だったのだろう。前に書いていた102 観音崎=宮島口西(広島県)牡蛎殻の山は消えての項と、その前後の項目あたりにそんな写真もあったなと見ると、その船も結構大きかった。
 まだ比較的新しいその船の前では、新しい黄色いブイの周りで若い家族が集っていた。このこどもたちも、いずれ大原小学校に入って、新しい堤防に新しい壁画を描くのだろうか。
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 この一家に、幸多からんことを祈りたくなるような気がしてきた。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度20分27.24秒 141度27分1.33秒
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dendenmushi.gif東北地方(2010/09/20 訪問)

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タグ:宮城県
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