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656 峠崎=石巻市雄勝町船越(宮城県)峠から降りてくると荒アラここがギョぎょ魚竜の浜 [岬めぐり]

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 峠崎の名は、地図にしかない。どこにも標識もなければむろん案内板のようなものもまるでない。峠崎という名前も岬の存在も、当地ではほとんど無視されているようだ。荒峠からの大きな道を曲がりくねりながら降りてくる途中で、ひょいと気がついた。あれっ? 行き過ぎたのではないか?
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 峠崎への入口は、大きな道から脇道に入らなければならないのだが、その入口も薮の切れ目のみでないに等しい。よほど注意していないとわからない。引き返しながら、地図で見当をつけたあたりを探すと、わずかに踏み跡が薮の中に発見できた。蜘蛛の巣を払いながら踏み跡を辿ってしばらくすると、疎林の中に細い山道が現われる。この先が峠崎だと期待が高まるが…。
 岬の先端は、断崖になって終わっているらしいが、それとても薮に覆われていて定かには見通すことができない。すぐ向こうは島である。
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 道が終わったところには、朽ちるほどにはなっていない木製のテーブルと長椅子が少し斜めにかしいで薮に沈んでいる。誰がつくったのだろう、こんなところにテーブルかいな。それはほとんどお立ち台の役目しか果たさない。
 ハテ崎の写真も、多くはここから撮ったのだが、峠崎そのものは、ここからでは要領を得ない。
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 結局、大きな道に戻ってさらに下って荒海岸近くに降りてから眺めたほうが岬の全体的な印象は確かになるが、この角度だと峠崎の先端はちょっと影に入ってしまう。
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 峠崎から荒の集落に向かう途中に、忽然として本格的で大規模な遊具を備えた公園らしきものが現われる。これはまた、こんなところになんじゃ?
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 大きな道はここで終わっているので、荒峠からの道はもっぱらこの公園に来る車のための道路であったらしい。
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 世の中にはいろいろ不思議なことが多いが、石巻市のからんだ公共施設のようなこの公園なども、いったいどういう経緯でこんなところにこんなものを…と首をかしげてしまう。
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 そこから道は細くなって、いったんは海岸近くまで降りたことが足下の岩場と波の音でもわかるが、また急な杉林の登りで峠をひとつ越えて、ようやく荒に至る。荒峠からの大きな回り道はかなり距離もあり、一周した峠崎の出っ張りも堂々たる規模がある。
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 荒海岸は、峠崎の東の入江にある砂のきれいな海岸で、海鳥の群れが砂の上に並んで羽根を休めている。こういう景色も、岬めぐりではめずらしくはないが、景色の中に生物が溶け込んでいるのはなかなかいいものである。
 その海岸の東側には、マフィンのような形をした周囲が切り立った島がある。甲島というのは、かぶとに見立てた名前であろう。
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 雄勝公民館のウインドウケースにレプリカがあった“雄勝魚龍化石”は、ここで発見されたものである。化石は半島の山の中でも出土しているようだが、海岸の立て札の説明によると、“雄勝荒魚竜化石群及び魚竜化石”は、昭和58年に町指定の文化財となっている。
 三畳紀前期(2億4000年前頃)の生物と推定されるここの魚竜は、世界で最も古い部類に属するという。魚竜は現在のイルカに近い形をしていたとみられるが、爬虫類である。つまり、ギョぎょ魚!のサカナクンの領分ではない。
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 さらに、甲島から研究のため発掘された化石の一部は、国立科学博物館などで研究されていると、平成14年雄勝町教育委員会建立の案内板は言うが、その後の研究成果はどうなのだろう。
 調べようとしたが、そのような情報はまだというか提供されていない。ただ、雄勝硯がらみの伝統的工芸品産業振興協会のページには、次のように紹介されていた。
 
 雄勝硯の原料である雄勝石は、2.5億年前この辺を流れていた川の土砂が堆積してできた地層からなっています。プレートの歪みから、雄勝町周辺は地層が縦になって現れています。そのため、2.5億年辺りの地球の歴史が地下深く掘らずとも広がっているのです。
 甲島(よろいじま)では2.2億年も前の中生代、魚竜(水中恐竜)の化石が発見され、体長約1.8メートルその化石のレプリカは、雄勝町公民館に展示されています。八景島(やけいじま)などでは古生代二畳期の海百合・マキガイ・三葉虫の化石が露出しています。美しい緑、そして絶景の海のすぐ下には2.5億年前の歴史が広がっています。地質学的にも貴重な場所なのです。


 中学・高校で習った程度の知識では、地層というのは原則的に順に積み重なっていくので深く掘れば古い地層が出てくる、あるいは上のほうが古いと単純に思い込まされるが、必ずしもそうではない。
 それに第一、化石などもそこで死んだ動物やそこで倒れた植物が、その場所で埋もれて長い間に化石になったと錯覚しがちである。そういうわけでないことは、日本列島を構成するうえで大きな要素になっている付加体の理屈からも明らかになる。
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 海岸の入口には、苔むした地震の碑が建っている。
 地震と津波の記憶は、人びとの間に長く深く埋め込まれ、その結果荒の集落は海岸から高く登って行く斜面に展開している。
 ここを登りきって、自動車道に出ると、この半島最東端の岬、大須崎を目指して歩く。それがこのシリーズいよいよ最後の岬になる。
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▼国土地理院 「地理院地図」
38度32分53.61秒 141度31分54.45秒
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dendenmushi.gif東北地方(2010/09/21 訪問)

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タグ:宮城県
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コメント 3

袋田の住職

この辺りは記憶にあります。

by 袋田の住職 (2011-01-01 20:02) 

dendenmushi

@なかなかきれいな海岸が印象的ですよね。海水浴場と表示された場所もいくつかあったのですが、やはり夏には賑わうのでしょうかね。
by dendenmushi (2011-01-03 06:56) 

みやぎ「ふるさとの絆と思い出!」プロジェクト

はじめまして。
みやぎ「ふるさとの絆と思い出!」プロジェクト、事務局担当の高野です。
突然の書き込みをお許しください。
このプロジェクトは、情報不足の高齢者やネット環境が無い方達に、震災前の写真集等を見てもらうことで元気になって頂き、コミュニティ再生を目指そうとするプロジェクトです。
管理人様が、写真をお持ちでしたら、お手数をお掛けしますが、ぜひ上記サイトへ投稿をお願いできないでしょうか。
※詳しくは、  URL : http://omoide.o-r-i.info/   を御覧ください。
宜しくお願い申し上げます。
by みやぎ「ふるさとの絆と思い出!」プロジェクト (2011-12-28 12:13) 

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