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661 尾南曽鼻=尾鷲市須賀利町(三重県)巡航船も取り持ってくれず結局遠望だけになってしまったが [岬めぐり]

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 もったいぶることでも自慢できることでもないのだが、早い話が尾鷲から須賀利へ渡る巡航船の運航時刻が4月から変更になっていたことに気がつかなかっただけのこと。尾鷲駅で特急を降りて急いでタクシーを飛ばして港にやってきたときには、10分も前に船は出てしまった後だった。こういうお粗末な次第になったのも、後から思えばこの計画が昨年暮れからずっと持ち越してきたものだったことに遠因がある。
 何度も見直し、練り直していたため、いざ実行というときに新年度から時刻が変更になるとは思いが及ばず、出発前に改めてダイヤまで再確認しなかったのが悪い。だが、特急列車の到着時刻は変わっていないのに、せっかくそれに連絡していた時刻を25分繰り上げて、わざわざ連絡できないように変更しなければならない理由は、いったいなんだろう。
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 民営ではあるが、尾鷲市が港から対岸の須賀利までを往復する巡航船を支援しているのは、市民の交通手段として欠かせないからであろう。つい20数年前までは今の紀北町海山区を回って北側の山から入る道路もなかったくらいなので、この巡航船だけが生活の足だったという。今でももっぱらそれは住民のためであって、ごくたまに気まぐれにやってくる他所者を運ぶためでないことは明らかなのだが…。
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 毎度のことながら、岬めぐりの計画にはいくつもの選択肢があって、そのどれをどう選ぶかは、最終的にはそれぞれの公共交通機関の運行時刻の連絡がいいか悪いかで決まる。もともと免許がないでんでんむしの岬めぐりでは、マイカーやレンタカーでどこへでもふらふら行くというのではなく、「公共交通機関でめぐる」ということに大きな意義もあり、それがまた特徴であると考えている。
 その観点からは、全国各地域の路線バス網がどんどん縮小しつつある現状のなかで、尾鷲市は他の自治体の範たるべきであると評価してよい。尾鷲市では市長公室内に“尾鷲市地域公共交通活性化協議会”という組織があって、そこが市内各地を“ふれあいバス”という名の地域バス網を充実させている。
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 その案内をPDFファイルにして公開しているが、須賀利巡航船ダイヤも航路図もちゃんと織り込んでなかなか見事である。
 今回も、この巡航船を利用するには、尾鷲に泊まって早朝の便で往復してくるか、この昼間の便で行ってくるか、どちらかを選ぶことになった。いろいろ、曲折を経て、特急でそのまま紀伊長島を素通りしてまず尾鷲まで来て、昼間の巡航船に乗るという選択をしたのが裏目に出た。
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 こうなれば、じたばたしてもしかたがない。次のバスの時間を計りながら、尾鷲の港周辺で時間をつぶすしかない。船でもっと近くから眺められる予定だった尾南曽(おなそ)鼻は、港の防波堤越しに遠く眺めるしかなくなった。港の付近を歩き回り、近所でいちばん高いと思われる文化会館の2階にも上がってみた。サクラの枝と電線の間に、右から寺島、沢崎、尾南曽鼻が並んでいる。
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 望遠ズームにすれば、尾南曽鼻にある灯台らしきものも、なんとか視認できる。とはいうものの、なにかの尻尾のようにこちらに向いて突き出ている岬の様子は、それをほぼ正面に見る水平の目線からでは、どうにも伺い知れない。いま流行りの3Dならば重なり合う尾根も識別できるのだろうか。
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 ここはやはり、巡航船に乗って、その脇を通り抜けたいところだった。
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 尾鷲湾のほぼ真ん中あたりに、その名も投石という小さな島がある。当然ながら景色にはその線が見えることはないが、この島を結んで85度くらいの角度で、紀北町との境界線が引かれている。投石と尾南曽鼻との間を北進すれば、須賀利町の入江に入ることができる。
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 ここは今では貴重な昔の古い漁村の町並みが残る、独特の風情のある町らしかったので、ぜひとも行ってみたかったのだが、残念。(次の2枚の写真は、港から東へ移動した大曽根方面からのもの。)
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 未練がましく巡航船乗り場でうろうろしながら、次の緊急対応プランを考えているところへ、フォークリフトが氷水を入れた青いプラ箱を重ねて運んできた。なにが始まるのかと見ていると、岸壁に横付けされた漁船から大きな網をクレーンと手で操りながらのブリの水揚げ作業であった。船倉から引揚げられる網には大ぶりのブリがいっぱいで、それが青いプラ箱に移されると氷水がたちまち赤くなっていく。
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 尾鷲湾周辺では、マダイの養殖も盛んなようだが、天然ブリも水揚げされているのだった。
 ところで、“巡航船”という名前である。
 でんでんむしのこども時代の情報源であったラジオで聞いた『串本節』で、“ここは串本〜向かいは大島〜なかを取り持つじゅんこーせーぇえん〜”という歌詞。これが、“巡航船”との最初の接点であった。“連絡船”と“巡航船”はどう違うのかといえば、国語的には同義である。にもかかわらず、わざわざ“巡航船”というところには、なにか特別の事情があるのかとも考えてみたが、よくわからない。あえて厳密に字句の解釈をすれば、“巡航船”には「あちこちめぐる」という意味もあり、“連絡船”には「二点を結ぶ」という意味がある。けれども、その定義をあてはめるとすれば、尾鷲と須賀利町の場合は“巡航船”ではなく、“連絡船”になってしまうはずなのである。
 これまでの岬めぐりで遭遇した“巡航船”では文字通り湾内各集落をつないでいく、高知県須崎市の横波三里をめぐる航路が印象深い。そういえば、ブリの入ったプラ箱のかたわらには、2枚のプレートが置かれていた。今日の当日日付のものと、先週のものと…。先週の日付の板には「高知」とある。高知沖で獲れたという意味なのであろうか。三重も高知も、黒潮の流れる海ではひとつなのだ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度4分54.87秒 136度16分4.52秒
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dendenmushi.gif東海地方(2011/04/12 訪問)

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コメント 2

ナツパパ

惜しいことをしましたね。
でも、尾鷲の写真、とても素晴らしく、見入ってしまいましたよ。
巡航船、という名前にすごくロマンを感じてしまいました。
どんな船なんでしょう、乗ってみたいなあ。
by ナツパパ (2011-06-13 20:17) 

dendenmushi

@惜しかったです! ここはも一度再挑戦しなければならないかも…ですね。
 巡航船は、それぞれ型も大きさも違って、決まったものはないのでしょう。その一例としては、高知の横波三里の各項目のなかに、写真がありますが、なかなかおもしろいです。わたしも、こんな船に乗ったのは、初めてでした。

by dendenmushi (2011-06-16 05:45) 

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