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666 カラカマノ鼻=尾鷲市早田町(三重県)名が態を表わす岬のある町の人口は98世帯172人 [岬めぐり]

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 想像するに「カラカマ」とは「唐鎌」であり、青竜刀のようなソリをもった刃物のことであろう。どうしてそんな名前がここの岬についたのか、誰もなにも語っていないようである。
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 ただ、一目見ると、なるほどこれがカラカマノ鼻かと、納得してしまうほどである。岬の斜面は急で、その大部分はむき出しの岩のようである。わずかに生える木々の影が、そこに生えているだけでも大変そうだ。ちょうど岬のスロープが断崖となって落ちるその先に、三角定規を立てたような岩が立っている。岩の描く形は、確かにある種の刀か鎌のように見える。
 このように、形から命名の経緯が想像できるものはさっぱりするが、前項のナサ崎のようなのは、ちょっと困る。まさかNASA崎とか月着陸船の形だとか書くわけにもいかないので、わからないともやもやするが、こういうときは知らん顔してスルーするに限るのである。
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 カラカマノ鼻へも、そこに近づく道がないので、優におよそ1.5キロは離れている早田(はいた)の港から眺めるしかない。ズームアップして見ると、岬の周辺は大きな岩の固まりでできているようで、直接熊野灘に突き出している岩磯には絶えず波が押し寄せている。
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 白い線が引かれているように見えたのは、よく見ると海岸の岩に当たって砕ける白波だった。
 早田は九鬼の何分の一かというような小さな町である。総人口22,000ほどの尾鷲市にあって、市が公表している統計によると九鬼町は314世帯536人、早田町は98世帯172人の人口である。
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 ここも小さな入江に小さな漁港があって、赤い灯標が立つ一本の堤防が仕切っている。その奥まった斜面を中心に集落が形成されていて、その谷筋には雨の日には流れが大きくなるらしい小さな水流が流れている。
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 岸壁には、漁協の建物と漁船から水揚げされる魚をさばく市場もある。ちょうど、ここを訪れたときは早朝で、数人の人が集って競りが終わったのか魚の入った箱を運んでいくところだった。
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 市場の奥、堤防の先には道がなく、行き止まりとなってしまう。サギが係留された漁船の舳に静かに立っている。動くものとてない港を、ぐるりと迂回して南側の道を行くと、船の修理などのための傾斜路があり、小さな公園が設けられていたが、この道もここで行き止まり。
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 国土地理院の電子国土ポータルの地図データも、こういうところはだいぶ古いようで、その道も湾内の海岸線情報も記されていない。その代わりに、山に入って行く点線が描かれているが、その登り口は発見できなかった。
 もっとも、発見したからといって、その山道を登るつもりはない。
 人の気配もない早朝の漁港の町に、突然救急車のサイレンが響く。すると、どこからともなく停車した救急車の周りに人が湧いてきた。尾鷲市でも、60歳以上の高齢者の比率が35%を超えている。なかでも古い漁村の形態を保つ須賀利町ではそれが69.9%、九鬼町や早田町でも60%超なのである。
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 尾鷲の瀬木山から三木里へ向かうふれあいバス八鬼山線は、早田の峠から入江に降り、Uターンしてまた311号線に戻って行くが、九鬼と同じく最初の日は乗ったままここを通り過ぎた。早田を訪れたのは、三木里に一泊した翌日の早朝、いちばんのバスで引き返してきたものである。
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 時刻表と首っ引きでこういう計画を練るのが、一人旅の醍醐味でもあるが、早田ではカラカマノ鼻をゆっくり眺めているうちに、尾鷲まで行って引き返してくる三木里行きのバスに乗って、今度はまた三木崎をめざすのが名案のように思われた。
 朝一番のバスでこの区間を行ったり来たりする乗客は、めずらしいだろう。ほかに乗客はいないので、運転手さんとあれこれ話していると、じゃ帰りの便もボクが乗っているからという。ならば、帰りには三木浦トンネルを出たところで降ろしてはもらえまいかというと、そこはやはり規則にしばられる運転手さん。停留所以外の場所で、勝手に乗客を降ろしたりすることはできませんのです。
 でもネ…。

▼国土地理院 「地理院地図」
33度59分15.94秒 136度16分18.23秒
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dendenmushi.gif東海地方(2011/04/13 訪問)

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タグ:三重県
きた!みた!印(35)  コメント(9)  トラックバック(0) 
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きた!みた!印 35

コメント 9

ナツパパ

山と湾に囲まれた、素晴らしいところですね。
記事の写真を、何回も見返してしまいました。
豊かな自然ですねえ。
by ナツパパ (2011-06-28 21:24) 

ライムグリーン

カタカナで表記されていると???と思う事でも、
漢字になおすとなるほどと思います。
う~ん、日本語って難しい!
こじんまりとしていい感じの港ですね。
by ライムグリーン (2011-06-30 13:27) 

dendenmushi

@入江の奥にだけ集落がひとかたまりあるだけで、あとは周囲は山と海ばかりです。隣の町まではどっちに行くにしても山を越えて行かなければならないのです。
 こういうところが、日本には案外多いのです。
by dendenmushi (2011-07-01 05:11) 

dendenmushi

@ライムグリーンさんの紹介されているマンハッタンやフロリダとは、まったく異質の風景ですね。
 キーウエスト…行ったことはないのですが、なぜかいろいろな本で知っているせいか、なつかしい。
 「カラ=唐」は、実は岬の名前には、いくつか類例があるのです。最近は「Kara」のほうが人気で知られていますけど…。
by dendenmushi (2011-07-01 05:19) 

hidechan

いい海ですね・・・
by hidechan (2011-07-01 11:00) 

日和良

こんにちは、カラカマの鼻の三角の岩は、地元早田では、タテイシと言っていたとおもいます。
私は、唐窯(カラカマ)だと思っていました。
近くには、塩を炊く塩釜があったそうで、頼母に塩釜がありました、南島町の道行竃の方が移住して、塩を精製していたそうです。尾鷲には、梶賀もそうです、慶長の検地帳に塩の年貢の記録が残っています。
唐風の塩釜があったので、唐釜の鼻になったのかとおもいってました、漢字だでは、唐鎌なのですか?
早田の無名の鼻は、オビヤナの鼻では、ないですか?
明神山、明治42合祀になった、松尾大明神の鼻で、大晦日の行事に出てくる、名前は、松尾(葉)鼻です、早田湾内には、モトビヤの鼻もあります。穴じゃ公園の近くの鼻です。
堤防の近くの岩の島は、竜宮島で、八代竜王さんをお祀りして、禁足の島です、石経行事に笹を取替時くらいです。
早田は、早田神社、早田稲荷(伏見稲荷大社の分社)です。
稲荷さんの銘文は、神火不昧・鎮護国家の文字があります。
九鬼鰤定置網を豊漁に導いた、伝説の網頭(漁労長)3人の出身地です。早田も鰤定置があります。

by 日和良 (2011-10-30 01:07) 

dendenmushi

@日和良さん、再びありがとうございます。「唐鎌」は形から見たわたしの想像ですが、ほぼ間違いないか…と。
 塩釜があったというのは知りませんでしたが、製塩作業はもっと人家に近いところとか、足場、通行の便がよいところでないと、なりたたないのではないでしょうか。
 地元の名前というのは、いろいろありますね。「立岩」というのも、全国共通で非常に多いですね。ここもそうでしたか。

by dendenmushi (2011-10-31 06:35) 

日和良

ありがとうございます。
三木崎灯台の近くに頼母があり盛松の小字の地名です。
早田発祥の地の一つ、人所もカラカマの鼻の近くです
早田のHPを貼り付けましたので、だうでしょうか?
近隣の地区の紹介もあります、十年近く更新していません、管理人です。九鬼水軍発祥の地・紀州九木浦のHPも管理にんです。
無名の岬の名前地名も?
木名峠を早田にくだれば、木名の浜があります。
砂浜で木名の白浜と古老たちは、言ってました。以前は、早田の旧家の田園でした、慶長の検地に名前がある家です。
by 日和良 (2011-10-31 21:55) 

dendenmushi

@日和良さんのホームページ、拝見しました。なんとなく軽くなでるように通り過ぎてきた町や浦にも、こんなに深い人びとの暮らしが息づいてきたのだ、というごく当たり前のことを、改めて感じました。
 「はいた」ではなく「はいだ」と濁るのですね。また、湾の南側にも古い人の営みがあったとのこと、驚きました。
 ありがとうございました。
by dendenmushi (2011-11-02 08:28) 

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