So-net無料ブログ作成
検索選択

693 弁慶岬=寿都郡寿都町字政泊町弁慶(北海道)大望ある身の永く止まるべきにあらずと… [岬めぐり]

benkei03.jpg
 翌日になると、黒松内町の雨は上がっていた。駅前旅館から駅前まで歩いて、寿都(すっつ)行きのバスを待つ。駅の待合室には、黒松内のブナ林のウオーキングコースが、紹介されていた。
benkei02.jpg
benkei01.jpg
 岬めぐりもブナ林歩きも、両方こなすのができればいいのだが、そうもいかないところがつらい。
 ニセコバスは、国道9号線と朱太川に沿って北上し、黒松内町と寿都町の境界線をなぞり、湯別の温泉施設を経由して、寿都バスターミナルに着く。目の前に高校があるが、町の中心からは少しずれているので、祭りの雰囲気は伝わってこない。
 ここでしばらく待って、島牧村へ行くバスに乗り、目指すのは弁慶岬。
benkei04.jpg
 この路線も、ニセコバスに委託した地域バス路線であるらしい。ほかに乗客もいないので、運転手さんと話をしながら行くが、この道がかつて松前から江差に行くとき通った「追分ソーランライン」の北部にあたる。
 今回のコースでは、ここが西の端で折り返すので、まだこここから江差までの間の岬が、残ることになるが、あまり先走っても仕方がない。まずは、弁慶岬である。
benkei06.jpg
 運転手さんは、「なんにもないとこですよ。折り返しのバスがくるまでだいぶあるし…」といって心配してくれたけれど、きれいに整備された岬の遊歩道を隅から隅まで歩き、ベンチに寝そべって岬の空気を満喫できるのがいい。
benkei07.jpg
 なにしろ、この北海道シリーズでは、ここで初めての日差し。ここまで雨と風ばかりだったので、のんびりとできる時間はとてもよかった。
 赤白ダンダラの灯台は茶筒型で、燈光会の看板も、当然その名の曰く因縁に、ポイントが置かれて見出しがつけられている。
benkei05.jpg
benkei08.jpg
 なんでここが、弁慶岬なのだろう。弁慶は奥州衣川で、立往生して果てたはず。北海道には、本当は関係がないのだが、判官びいきの心情は、義経とともに津軽半島の三厩から、蝦夷地へ脱出するという別の運命を用意させた。
benkei11.jpg
 677項の判官舘もそのひとつだったが、北海道にはこうした伝説が、あちこちに残り、ひいてはジンギスカンにまでなってしまう。
benkei12.jpg
 あくまで伝説の域を出ない話であって、史実とはいえないが、弁慶は常陸坊が義経軍を再編して、蝦夷地へやってくるのを、この岬に立って待ち続けた、というのである。
benkei14.jpg
 結局、常陸坊も軍勢を乗せた船もやってはこず、銅像の台座に刻まれた表現によると、「遂に軍団の船影を見ることができず、大望ある身の永く止まるべきにあらずと、主従を慕う人達と別れを惜しみつつ雷電を目指して去った」となる。
 それにしても、船を待つ弁慶なら、もっと別の衣装やポーズもありそうなものだが、やっぱりこれなんだね。ともかく、岬の名だけでなく、字名にも“弁慶”を残しているのは、立派なもんだ。
benkei09.jpg
 寿都と島牧の境界に突き出たこの岬を、アイヌの人たちは“ポロ・エド”と呼んでいた。“エド”は「岬」の意である。つまり、“大きな鼻の形の岬”という意味なのだそうだが、この岬の先端が裂けたようになっているので、この岩と岬の間をベルケイ“裂けたところ”と言ったのを、和人が“ベンケイ”と聞き伝えたという説もある。
benkei10.jpg
 岬の先端から東には、寿都湾を挟んで対岸に当たる尻別の岬と、義経主従が向かったとされる雷電の高い尾根が二重になって聳えている。雷電のほうは、1000メートルを超える大きな尾根で迫力がある。
 島牧からのバスで寿都バスターミナルに戻ると、今度は祭の町を後にして、岩内バスターミナルへ向かう。
benkei13.jpg

▼国土地理院 「地理院地図」
42度49分25.11秒 140度11分22.03秒
benkeiM.jpg
dendenmushi.gif北海道地方(2011/07/17 訪問)

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ


タグ:北海道 灯台
きた!みた!印(30)  コメント(4)  トラックバック(2) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 30

コメント 4

ナツパパ

日本海に沿って走る国道を、以前クルマでドライブしたことがあります。
急で高い山、そして海との間を国道で走ると、迫力たっぷりでしたっけ。
この岬まで、昔は大変な苦労をしていったのでしょうね。
by ナツパパ (2011-09-14 19:27) 

dendenmushi

@これから先が、ほんとに高い山と海のわずかな隙間を、道路が通っている、という感じですね。
 この付近では、尻別から岩内までと、岩内から神威岬まで、そんな道が続いています。
by dendenmushi (2011-09-16 05:36) 

abms4144

初訪問させて頂きました。
私自身積丹~雷電~寿都はよく通りよく行くる道
何しろ、私は黒松内、家内は長万部が出生地、貴殿の映像に
おさめられている駅前旅館もよくしるところ。
978465
海辺の美しさは山渓とはまた違った味わい
昨年は室蘭地球岬、一昨年は函館立待岬や襟裳岬等
訪ねていますが、それぞれ違った味わいがありますね。

そして海辺の道は歴史道、海辺の集落は蝦夷地開拓や交易の発祥地。
by abms4144 (2013-02-09 10:37) 

dendenmushi

@ abms4144 さん、コメントありがとうございます。積丹~雷電~寿都をよく通られるとは…。
これはなかなかすごい道だと思いながら通りました。でんでんむしも曲がり道、海辺の道、大好きです。山道もいいのですが、両方はムリなので、このところは岬めぐり一本です。
今後ともよろしく。
by dendenmushi (2013-02-09 16:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

トラックバックの受付は締め切りました