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709 ルシ岬=積丹郡積丹町大字入舸町(北海道)静かで淋しい海辺の小さな集落のはずれに泊まる [岬めぐり]

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 229号線から道道913号を走るバスが入舸トンネルを出ると、小さな湾とその周辺にぱらぱらと民宿らしい建物があり、そこから少し奥に入ったところにあるバス停“積丹入舸”のあたりから、民家が固まって集落ができている。
 ここでも、人家は浜辺から引っ込んだところにある。入舸(いりか)のように、地形的に後背地に余裕があるときは、生活の拠点は海岸際ではなく、少しでも奥まった高いところにできるのは、自然に身についていった知恵なのか。そうも考えられるが、入舸の場合は別の理由がありそうにも思える。
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 入舸地区の民宿は数軒あって、なかにはウニ・ホタテなどを売りにした割烹民宿のようなものもあるが、事情があって食べ物にはほとんどまったくなにも興味がないので、海岸でルシ岬にできるだけ近いところを選んで予約しておいた。
 海岸の近くには、普通の民家にしては明らかに造りの大き過ぎる建物が何棟も点在しているが、そのうち現役で使われているのは国道沿いにウニ丼の幟を並べた一軒と予約した宿だけで、その他は閉鎖されたままで年月が経過しているようだ。
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 「銀鱗閣」という名は、釣り宿を思わせるが、連休だからか、ほかにも数組のクルマでやってきた客がいた。玄関を入った正面には、造花の向うの壁に色紙がたくさん並んでいた。ちょっと見ただけだが、どうやら番組の撮影でやってきたテレビのスタッフやタレントのサインが多いらしい。
 一人というと、まずたいてい裏側の部屋があてがわれるが、ここはいちばん岬よりのはずれの部屋なので、湾も岬への道も見える。
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 ルシ岬は、入舸の小さなヘラのような湾の北西部に突き出している岬である。上のほうは雲のような霧に包まれていて見えないが、積丹岬の大きな半島の南側にある。積丹岬はルシ岬の北に位置しているが、入舸からは霧がなくとも見ることができない。
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 入舸トンネルも、2005年12月というから比較的新しく海岸を回る旧道に替えてつくられたようで、その脇には使われることのなくなった道が両側の入口に堤を築いて閉鎖されたまま残っている。
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 このトンネル付近からのルシ岬は、なかなか哀愁をおびた風情があってよろしい。一艘の船が浮かんでいるが、左舷寄りに傾いている。いわゆる“見突き”という、舷側から身を乗り出して海中の獲物を棹で探る漁法で、ウニでも獲っているのだろうか。
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 “ルシ”もアイヌ語くさいが、不明。アイヌ語源ついでにいうと、“シャコタン”は、“シャク=夏”と“コタン=村・郷土”の合成語で、「シャクコタン(Shak Kotan)夏場所という意味」だと、町のホームページには書いてあった。
 “夏場所”といっても相撲があるわけではない。これまでの岬めぐりでも明らかになったように、北海道の歴史では、商取引をする市場が中心として和人とアイヌが交じりあい開けたところを、そう呼んできたようだ。
 『ファイナルファンタジー』では、“ルシ”になった者は特殊な力を授けられ、不老となり長い時を生きる宿命を背負わされる、ということになっているが、当然それとは関係がないだろう。「rusi(ルシ)」は毛皮の意で、おなじくアザラシやラッコなどの毛皮が得られる猟場などにみえます。」とは、ものしりChinchikoPapaさんから、教えてもらったこと。
 国土地理院の地図では、民宿とルシ岬の間には点線の山道が記されており、それをジグザグと登っていけば、積丹岬の上に出る。翌日は、そのコースを取って積丹岬から出岬経由で戻ってくるコースプランを考えてみたが、この霧が晴れてくれないことには、どうしようもあるまい。
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 宿の若めの女将さんに、そのプランを言うと、お天気よりもなによりも、まず即座に否定されてしまった。
 「そんな道が地図にはあるんですか。こっちからは、もうずっと前から通れません。岬への道もありません、途中ですぐ終わりですね。山道はマムシも出るしクマもいますから誰も通る人はいませんよ。それはやめておいたほうがいいですね。」
 新鮮なウニもホタテも、おいしかった。

▼国土地理院 「地理院地図」
43度22分7.54秒 140度27分41.76秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2011/07/17 訪問)

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タグ:北海道
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コメント 2

ナツパパ

霧に霞んでいて、まるでアリューシャン列島のような風景ですねえ。
北国の道は一度閉鎖されてしまうと、ダメになるのも早いのかも知れませんね。
by ナツパパ (2011-10-22 16:33) 

dendenmushi

@そうかもしれませんね。山道は通れたとしても、やはりこれもお天気次第です。積丹岬に登るのは、またの機会にとっておきます。
by dendenmushi (2011-10-24 06:11) 

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