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809 梶取崎=東牟婁郡太地町太地(和歌山県)古来からの伝統的捕鯨の地では岬は山見の重要ポイント [岬めぐり]

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 前808項では「山見」のことを、「山立て」と同じ意味でとらえていたのだが、どうやらこれは間違いのようで、この付近で「山見」とは、もっぱら“望遠鏡=遠眼鏡=遠見”のことであるらしい。
 梶取崎(かんどりざき)については、「村の巳の方十五町にある。出崎である。上に遠見番所がある。」としか書いていない『紀伊続風土記』も、燈明崎についてはその十倍も紙幅を割いているところをみると、太地の集落は西の森浦湾から東の太地湾にかけての北側が中心で、断崖の続く半島の東南部側には、ほとんど人は住み着いてはいなかったのではないか。
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 それでもこの地域も、鯨の見張り番所、山見を置くところとして、重要であったのだろう。
 山見鼻があった場所は、現在の住所地名でいうと紀伊勝浦町下里であったが、その東の水路観測所の丘の東寄りの岩磯からは太地町太地(たいぢ)である。町の境界はあるが、山見鼻から梶取崎にかけては、同じような断崖と岩場の海岸が続いている。
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 燈明崎から梶取崎にかけての東海岸一帯にも、人が住み着いてきたという場所ではなさそうだ。しかし、太地のうちでもこのあたりが、古式捕鯨の船団を総指揮した鯨漁のためには重要な見張り所「山見」のための場所であった。
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 太地の半島のほぼ中央で、東の端にあたる梶取崎には、梶取埼灯台のほかにも古式捕鯨山見跡や狼煙場跡、くじら供養碑もある。太地は、古来から捕鯨の地であった。
 梶取崎という名は、熊野灘を航行する船が、この岬を梶を取るときの目印にしたからと、わかりやすい。
 つまりは、岬は海の上の船からも目印でもあったし、陸から海を眺めて目標物を発見する場所でもあった。太地の出っ張りでは、この二つが両々強調されている。
 下里大橋から乗ったバスは、太田川を渡って北へ行き、しばらくしてこんどは東の谷に分け入っていく。与根子川に沿って行く道の途中に、JR紀勢本線の太地駅がある。ここで降りて、今度は太地町のコミュニティバスに乗り換えて、梶取崎までやってきた。
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 付近には人家もない岬の一帯は、広い園地になっていて、白く背の高い灯台が、すっきりと立っている。北側のその名も燈明崎には灯台はないので、これが太地では唯一の灯台なのである。
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 クジラの供養碑や夫婦ビャクシンの大木もある園地は広いが、とくに展望台のようなものは設けられていない。
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 灯台から下っていくと、さらにトベラの茂る岬があって、岩の島がある。ここも北へも南へも、岩磯と断崖が続いている。
 標高26メートルの台地から北を望むと、燈明崎とその向こうの島が見え、その手前の断崖の上には白いドームのような建物がある。
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 そこが、「落合博満野球記念館」である。今年もまた“打てない勝てない広島カープ”の創設以来のファンであるでんでんむし(カープを強くするには、もうオーナーを代える以外に可能性はない=つまり当分不可能との結論に達している)としては、是非にも行きたい場所ではない。だが、その筋の通った野球人の生き方には理解と共感もある。この記念館には、地元がなんとなく冷たいのではないかという印象を受けた。確かに、観光案内の看板にはそれもあるが、記載のないパンフレットもあるし、コミュニティバスも行かない。
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 もっとも、バスが行かないのは、道が狭いからだということもあろう。燈明崎へも、バスは入って行かない。小ぶりなコミュニティバスが自在に通れる道も、太地町内では極めて限られていて、バスのルートもその制限の中で描かれているため、いささかわかりにくい走り方をしている。
 紀勢本線が走る陸地から東に、ジネンジョがくっついたように張り出している部分が太地町の主要部のほとんどだが、そこは台地の上がいくつもの尾根に分かれて入り組んでいるため、道一つすら単純ではないのだ。
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 屋根の上には風見鶏ならぬ風見のクジラが載っかっている梶取埼灯台には、なぜか燈光会の青い看板が見当たらなかったようだけど、これはどういうわけだろう。
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▼国土地理院 「地理院地図」
33度34分56.23秒 135度57分32.12秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/07 訪問)

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コメント 2

smik

灯台を見て、きれいだと思うのは、何でなんでしょうね。
ただの白い筒のようなへんな建物だと思うのだけど、どんどん見に行きたくなってきます。
by smik (2012-06-19 21:28) 

dendenmushi

@smik さん、灯台が好きという人は、多いみたいですよ。岬めぐりではなく、灯台めぐりをしている人も、いるみたいです。
でんでんむしの場合は、灯台は岬にある点景のひとつというとらえ方で、決して主役ではありませんが、これがあるとやはり、ピタッと決まりますね。
これやっぱり、周りからすっきりと独立している、周囲になにもない、というのがいいんじゃないでしょうかね。
by dendenmushi (2012-06-21 05:17) 

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