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810 燈明崎=東牟婁郡太地町太地(和歌山県)ここと横須賀で二つの燈明崎は230〜240年もの間灯を点し続けた [岬めぐり]

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 燈明崎も梶取崎も、船の航行に関連する岬の役目を表したものだが、同名は多くない。“梶取”については、山口県光市の梶取岬と愛媛県今治市の梶取ノ鼻がほかにあるが、“燈明”については神奈川県横須賀市に同名の岬がある( 071 燈明崎・千代ヶ崎=横須賀市西浦賀(神奈川県)光明はたとえ一筋であっても参照)だけだ。
 ここに燈明台が置かれたのは、1639(寛永13)年のことで、この定燈明の設置で、太地湾の回船には大いに役に立ったことだろうが、1872(明治5)年には廃止されている。燈明崎の南約2キロの梶取崎に灯台ができるのは、それから随分後の1899(明治32)年まで待たなければならなかった。
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 一方の横須賀の燈明崎は、太地よりも9年遅い1648(慶安元)年の設置で、廃止されたのは同じ明治5年であった。日本で初めての洋式灯台である観音崎灯台( 054 観音崎=横須賀市鴨居(神奈川県)あの頃キミは若かった参照)ができて、その役目を終えたからだろう。だが、太地のほうは当分灯台ができる見込みもないまま、燈明台の廃止だけは急いで右にならっているのはどういうことだろう。
 この時代の、近代国家を目指す国の政策方向からすれば、クジラ取り船のための灯台設置は、優先順位が低かったので、細かい配慮もなくほっておかれたということだろうか。
 
○燈明崎
 村の東十四町ばかり。湾曲の出崎である。この崎を室崎という。また大地崎ともいう。『続日本紀』にいわれる牟漏埼はすなわちこの地である。『続日本紀』に曰く、「孝謙天皇天平勝宝六年春正月癸丑(みずのとうし、きちゅう)、太宰府湊入唐副使従四位上吉備朝臣真備の船が去年十二月七日益久ノ島に来着。これより後に益久島より進発して紀伊国の牟婁崎に漂流して着く。(KEY SPOT『紀伊続風土記』現代語訳 牟婁郡那智荘太地村)


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 吉備朝臣真備の漂着地については、794 クレ崎の項 でふれたように、『紀伊続風土記』の筆者は、伝えられる牟漏埼とは太地の燈明崎とする通説について、潮ノ御崎のほうが合理性があるのではないかと、いささか疑義を示していた。その項とは筆者が異なるのか、燈明崎の項では「ある説では武漏ノ埼を潮ノ御崎に充てている」と認めつつも、「この崎を室ノ崎と称することは今も土地の人の口碑に存するので、牟漏崎はすなわちこの崎であることは明らかである」とし、ここでは筆に疑問の余地がない。
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 燈明崎へは、この日の宿である太地町営国民宿舎「白鯨」で自転車を借りて、太地の町を抜け、太地湾の東の崖の上を北東に詰めて走る。太地町のコミュニティバス“町営じゅんかんバス”が入れないという、バス道路から分かれた細い道を、1.5キロほども進むと、燈明崎の入口に達する。そこからは両側にモチノキやヤマモモ、ヒメユズリハなどの茂る樹林のトンネルが先端まで続く。
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 ところどころにクジラの種類を説明した標石があるその道に入ったところに、“吉備真備漂着之地”の石碑が立っている。
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 とにかくにぎやかな燈明崎では、捕鯨関連の支度部屋や山見や狼煙場の跡があるうえ、後代の灯籠型燈明台の復元されたものまで、それぞれの説明板とともにぎっしりところ狭しと並んでいる。
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 燈明崎だけでも三か所も置かれていたという狼煙場は、古式捕鯨では山見で発見したクジラ情報を、沖合いと陸側で待機している勢子船や網船に伝達するための、重要な連絡法であった。tomyozaki06.jpg
 クジラを発見して指示を出す山見の役目は大きく、最も権威のある家筋の者しかつけない重任であったという。
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 この岬から太地湾を隔てた北北西側を望むと、紀伊勝浦の半島と島で、温泉ホテルのものらしい白い建物を載せたところにも、狼煙山という名がある。灯台のある鰹島の周辺からその沖合いにかけての海では、組織的な捕鯨が長く続いてきたもので、日本の太平洋沿岸でもかなり特異な場所であったといえるのだろう。
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 岬の入口、太地中学校の脇、金比羅さんの南にある公衆トイレは、日本一きれいなトイレだかなんだか、そんなようなふれこみらしかったが、細かいことは忘れてしまっている。
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▼国土地理院 「地理院地図」
33度35分41.15秒 135度57分40.62秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/07 訪問)

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