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番外:角島灯台=下関市豊北町大字角島(山口県)「日本灯台の父」が手がけた最後の灯台は“白”くない [岬めぐり]

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 丘の上には角島灯台があり、周辺は公園になって、きれいに整備されている。明治9年に初点灯というから、日本各地に灯台がつくられ始めて、少し後にできた総御影石造りの洋式灯台である。「総御影石造り」というのは、強調すべきところで、石だから一般的なイメージとして定着している、灯台の白い外面塗装がしてないのである。こういう無塗装灯台は、日本にはここを入れてふたつしかない。(もうひとつは、どこだったか、忘れた…と書いていたのだが、なんか無責任なようで気が引ける。そこで、調べてみたのだが、まだ訪問していない直島諸島(香川県高松市)に属する男木島の北端にあたるトウガ鼻にある男木島灯台がそれ。)tsunoshimatodai02.jpg
 灯台の高さは29.6メートルで、これは石造り灯台としては日本で3番目の高さなのだそうだ。「あれっ、ふたつしかないのになんで3番目なの」…そういうそそっかしい人がいないとも限らない。石造りで塗装してある灯台もいくつもあるのだ。たとえば、出雲の日御碕灯台や樫野崎灯台もそうである。
 105段のらせん階段は、赤い板で覆われていた。これもなんか特徴的。
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 さっそく、このらせん階段をくるくる回りながら登っていく。ツアーの客は年寄りが多いせいか、ここまで登ってきたのは他に数人しかいなかった。
 灯台の上から、夢ヶ崎の景色を眺めてみる。
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 大きな崖も岩も山もなく、丸く突き出た岬は、周辺の岩礁地帯を伴いながら、響灘の外海に向かっている。ここは島の西の端なので、この海はまだ響灘であるといってよかろう。岩礁地帯にも国石(くんぜ)岩礁という名がつけられている。
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 ツアーの客はさまざまで、夢ヶ崎のようなところに来ても、灯台に登る人や、岬の先端まで歩いてそこらを回ろうという人は少ない。たいていは、駐車場や灯台の下の売店などで多く時間をつぶし、駐車場ではなくその下の道路脇に停めて駐車料金を節約しているバスを遠く離れない。
 ここで時間があまるなら、夢ヶ崎のあとには牧崎へも行って欲しいところだが、それを望んでいる人はまずいないだろうし、それは道が狭くてムリということにしておこう。
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 灯台の下は、灯台守の宿舎であった建物を活かした記念資料館の展示があり、この灯台をつくった、リチャード・ヘンリー・ブラントンの業績を称えている。
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 お雇い外国人としては第1号第1期組であった彼は、妻子と助手を伴って来日し、8年間の間に26の灯台などを残した。
 そのなかには、すでに「でんでんむしの岬めぐり」で訪問した納沙布岬灯台、尻屋埼灯台、犬吠埼灯台、剱埼灯台、石廊埼灯台、安乗埼灯台、和田岬灯台、潮岬灯台、佐多岬灯台など、有名どころが多く含まれている。
 そうした実績から、「日本灯台の父」と呼ばれるようになった、彼の手始めの仕事は、和歌山県串本町の樫野崎灯台(「800 樫野崎=東牟婁郡串本町樫野(和歌山県)トルコとの縁を結んだ岬はちょうど800項目だけどウソじゃないよ」参照) であった。そして、なんとこの角島灯台が26番目、日本海側で初の洋式灯台が、彼が日本に残した最後の灯台だったのである。
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 この灯台ができてから、それを支え守ってきた外国人がもう二人いる。ウィリアム・ヴァイエルスとジョセフ・ディックは、灯明番教授方であった。特にディックは家族とともに角島に暮らし、初代のここの灯台守としてその技術を定着させるのに尽力したという。
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 この記念館は、彼らが住んだ建物で、そういう灯台守の暮らしも伝えている。地元に溶け込んだディックは、灯台の関連技術のみならず、煉瓦の積み方や風邪の直しかたまで指導し、島民から慕われていたという。
 お雇い外国人の活躍は、本州の最西端に至るまで、いろいろなところに埋め込まれていることに、改めて感心する。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度21分9.34秒 130度50分27.79秒

dendenmushi.gif中国地方(2012/05/29 訪問)

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タグ:灯台 山口県
きた!みた!印(32)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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きた!みた!印 32

コメント 4

お水番

総御影石造りの灯台に目が釘付けになりました。
by お水番 (2012-08-17 13:49) 

いっぷく

いい景色ですね。
私はそのくらい高いところに上ると、
もし何かあってこの灯台が折れたり
崩れたりしたらどうしようとか
心配になる悪い癖があります。
場数を踏んで直さなければいけませんね
by いっぷく (2012-08-17 17:36) 

dendenmushi

@ いっぷく さん、そういう心配は誰にもありましょうね。でんでんむしなどは、高所恐怖症のうえに閉所恐怖症なので、スカイツリーなんか行きたくもないし、東京駅の地下5階のホームや青函トンネルを走っていても不安になることがあります。
しかし、なぜか灯台だけは平気です。場数を踏んでいるからでしょうか。

by dendenmushi (2012-08-19 05:15) 

dendenmushi

@お水番さん、ここには「燈明番」がいましたよ。この灯台にはインパクトがありましたか。
ほかの灯台でも、石の印象が残っていたところもありましたが、やはり、白く塗装していないので、比較的石が強く出るということはありますね。
by dendenmushi (2012-08-19 05:20) 

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