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852 館ノ岬=爾志郡乙部町館浦(北海道)目に飛び込んでくる見事な地層は“館層”という名があるくらいで [岬めぐり]

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 この頃では、地方のバス路線や時刻表などもネットで調べることができるので、大変便利になった。函館バスのネット情報は、市内近郊以外の運行路線図の表示がなく、停留所ごとの時刻しかわからない。ところが、よそ者には停留所の名前がそもそもわからないので、なかなか探しにくい、
 そこで、今回も乙部町のホームページにある交通路線情報を頼りにしたのだが、それによると「函館バスセンター10:22発→大成学校前13:45着」という便がある。それに乗るつもりでバスセンターまでやってきたのだが、掲示してある時刻表には大成(せたな町)行きの便がどこにもない。不安になって事務所で尋ねると「ああ、その便は2年前に廃止になったんですよ」という返事。ええっそんな…。こりゃまた大変なことになるかも…と一瞬心配したが、そのとき事務所の奥から声がして、「乗り換え接続があるだろう」。改めて調べてくれた結果、10:22発の便は江差行きで、江差病院前で江差からやってくる大成学校前行きに乗り換えることができる、ということが確認できた。乙部町の情報は、それを当然の前提として一本につないで表示していたのだ。
 そんなわけで江差行きとなったバスに乗って、函館駅前を経由して万代町から分かれる国道227号線、通称大野国道に入る。北斗市に入って七重浜を過ぎると、道はほぼ一直線に北北西に向かい、ゆるゆると山の中に突っ込んでいく。このバスは、ほぼ国道227号線をなぞって、江差で終点を同じくする。
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 標高400メートル足らずの中山峠をトンネルで越えると、檜山郡厚沢部(あっさぶ)町に入る。道路の両側に下向き矢印の標識が並んでいるのをみると、いかにも北海道へ来たという感じがするが、この厚沢部町もあとわずか950メートルというところで、惜しくも海岸を町域に加えることができなかった。227号線が北へ向かう229号線と分かれる柳崎橋付近からは、檜山郡江差町になり、その先に江差病院があった。隣り合う江差高校や看護学院もあり、バス停は大きく広く屋根やベンチなどちょっとしたターミナル並みになっている。
 そこで、江差からの大成行きを待つが、運転手さんがちゃんと乗り換え接続の客が一人いるということを連絡してくれたらしい。やってきたバスの運転手さんが、函館からのお客さんですかと、尋ねてくれた。こういうところは、人情味ある地方路線ならではで、またバスのすれ違いざまに連絡することも可能なのだろう。
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 遅くなってしまったが、この項目の主役である館ノ岬は、柳崎橋を渡り、229号線北上して江差町から乙部町に入ると、家々の間や漁港の向こうに見えてくる。
 この岸壁も、なかなか立派な風貌を備えており、こういう大きくゆったりした景色も、北海道ならではのものと思える。景の大きさもあるが、付近にごちゃごちゃしたものがないのも、それを際立たせる。
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 乙部町の中心部を過ぎると、姫川橋を渡り、バスはまっすぐこの館ノ岬に向かって走る。
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 町の中を流れる姫川を少し遡ると、乙部温泉や貝子沢公園という表記が地図にある。貝子沢公園は化石公園という名もあるようで、館ノ岬の岸壁を見ると、ここの岩の中にも化石が人知れず潜んでいることだろう。
tatenom07.jpg およそ500万年から140万年前くらいの時代に堆積した、凝灰岩や砂岩質の地層が、何重にも古代の海底に層をなし、それが隆起してもほとんど崩れることなく水平な縞模様を描いている。まさしく、地層の教科書に載せたいくらい見事なものだ。“鮮新世の館層”という名も、地学の世界に残した。
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 館ノ岬は462メートルの館の岬トンネルで突き抜ける。その隣の海寄りには、もうひとつコンクリートでフタをして閉じられたトンネルがある。この光景も、積丹半島など北海道の南西部海岸ではよくみられる。これは、トンネルの付け替え工事が行なわれた結果である。古くなったトンネルの崩落事故があちこちであったらしく、ここでもそんな事故の記録があった。保全工事でよくあるように崖がコンクリートで固められなかったのは、この見事な地層露頭のためだという話も、なるほどそうかもしれぬと思わせる。
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 温泉もこのに西海岸付近にはいくつかあって、江差町の五厘沢温泉とここ乙部温泉、そしてこの日の宿はせたな町にある貝取澗温泉である。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度58分47.97秒 140度7分39.79秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2012/09/02 訪問)

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タグ:北海道
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コメント 2

ダミアン88

バス乗り継ぎの一件は、いい話ですね。
交通の不便な所こそ 
そこに住む人が”気持ち”を持って欲しいものです
(不便なトコに住んでいる人間の感想です。)
by ダミアン88 (2012-10-02 20:54) 

dendenmushi

@熊野も決して「便利」とはいえないまでも、まだまだバス網が残っているほうですよね、 ダミアン88 さん。
今や、地方のバス路線は、どんどん縮小されていく傾向にありますが、そのなかでこういうこまやかな親切、人情にふれるとうれしいですね。
日本中(といっても海岸線ばかりですが)のバスに乗っていると、そんなことがときどきあります。

by dendenmushi (2012-10-04 06:33) 

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