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866 弁天岬=久遠郡せたな町北檜山区太櫓(北海道)岬の赤い弁天社に託す人々の願いはなんだろうか [岬めぐり]

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 北檜山区新成の隣は、北檜山区太櫓(ふとろ)である。太櫓は、今では弁天岬の南の海岸で、道路脇に広がる小さな集落に過ぎない。だが、かつては太櫓郡という郡の名前になっていたくらいだから、昔から和人地のなかでは栄えた地域であったはずだ。1622(元和8)年には、松前藩はここに「フトロ(布登呂)場所」を開いたし、ニシン漁が盛んだった時期には、かなりの賑わいだったろう。
 明治の終わり頃には、太櫓村から南西にむかって、古櫓多(ごろた)村、良瑠石(らるいし)村、鵜泊(うどまり)村と続く村々が合併して、新たに太櫓郡太櫓村が誕生している。その頃は、鵜泊まで含む大きな村域だったことになる。集中豪雨で廃校になった、先述の日中戸の学校も、1898(明治31)年に太櫓小学校の分校としてできたものだった。
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 その後は、1955(昭和30)年に当時の瀬棚郡東瀬棚町と合併して、瀬棚郡北檜山町となり、そこで太櫓村はなくなった。
 ニシンで栄えた地域は、今では一様に人口が減る一方で、過疎地になっているが、太櫓も戸数は100戸に満たない。
 地図を見ると、古櫓多の付近には、山の上に向かう道路が切り開かれ、その道路に沿って人家があるようにみえる。ひょっとすると、ここも鵜泊と同じく高台移転があったのかも知れない、というのは例によってでんでんむし得意の揣摩憶測に過ぎない。
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 「フトロ」とは、アイヌ語で“小石の多くある場所”の意味だというが、確かに鵜泊から鷹ノ巣岬にかけてのこの一帯は、海岸は小石どころか、大石もごろごろしている。
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 そんな石の間には、海水浴場になる砂浜もあるらしい。行きはバス、帰りはタクシーで、二度ここを通ったのだが、それは注意していなかったのでよくわからなかった。帰りのタクシーの車窓は低いので、弁天社もちょこっとしか見えなかった。
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 せたな町立太櫓小学校では、「海浜留学」というものをやっているという。「山村留学」の海版だが、ネットで見た情報では、どうやらそれは夏休みのイベントといった枠を越えていて、里親とともに長期にわたってここで暮らしながら学ぶという仕組みらしい。
 それで、なるほど、と思ったのは、この地域では、明治初めの北海道開拓の昔から、積極的に外部からの移住者を受け入れようと、努力してきた形跡があったようだからだ。
 そのために、当時の水産税の免税地域にしたりして、漁場の開発と漁業の発展を目指していた。熊石の相沼地区などから漁業者の移住を受け入れたり、そのほか出稼ぎや移住者の増加に伴う嫁取りなどもあって、越年永住者が増加してきた。それで集落を形成し保ってきた、という歴史がある。
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 弁天岬の下には、太櫓の漁港があり、この周辺も防波堤などが整備されている。
 弁天岬の上に鎮座まします弁天さまは、そうした地域の歴史をずっと見守ってきたのであろう。
 岬の上に朱塗りの弁天社があり、岬の名を弁天岬という、ここと同様のケースは、全国であちこちにあるようだ。下北半島の太平洋岸で見た二つの弁天さまの景色は、すぐに思い浮かんできた。が、その同じスタイルをもった岬の総数まではまだわからない。
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 ただ、「弁天」と名のつく岬の数だけでみると、弁天岬が10、弁天鼻が“ノ”や“ヶ”を入れて6、弁天崎に至っては23もあり、ほかに弁と天の間に“財”が入るのも2つあるので、合計では41もあるのだ。
 九州などでは、豊漁の神である恵比寿さまを祀った漁港も多いが、弁天さまは広く全国的に漁業者の信仰を集めてきたものだ。銭を洗うとカネが貯まるとかお金や財物がからむのは、人間の欲が生み出してくっつけた後からのことで、弁天さまご本人にはその義務も責任もない。(と思う)
 それは、宗像三女神の一柱で、厳島神社の祭神でもある市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)と同一とされている水の神様なので、「豊漁」を願うより前に、まずは「海上での安全」を祈ったものではなかろうか。

▼国土地理院 「地理院地図」
42度22分53.68秒 139度48分57.38秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2012/09/03 訪問)

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タグ:北海道 歴史
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