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878 松屋崎=茅部郡森町砂原(北海道)この岬のところだけ飛び地で「砂原」となっているのはどうしてですか? [岬めぐり]

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 松屋崎まで行くのはあきらめて、見えても見えなくても函館本線の車窓からでOKということにしたが、やっぱり見えなかった。
 亀田半島の出っ張りのうちでは、この松屋崎がいちばんチキウ岬には近くて、その距離28キロ。鹿部ロイヤルホテルからは、5.5キロほど北に寄っている。そこへ行くには、バスもないしタクシーもない。ホテルには自転車もない。歩くとなると、ゆうに半日仕事になる。問題は、それだけの労力をかけるべきか否かである。迷うところだが、地図をよくよく眺めたうえで、車窓でよしということにしたのだ。
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 朝、ホテルの車で、JR鹿部駅まで送ってもらう。駅までの道のそばにも、別荘らしい建物が並んでいる。ここはロイヤルホテルの会社がゴルフ場とホテルと別荘地を併せて開発したのだろう。車を運転してくれた人によれば、だんだんと定住者が増えているという。
 赤い屋根の小さな駅舎の待合室には、別荘に定住した住人たちも多いのだろうか、絵手紙サークルの作品が掲示してあった。
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 鹿部の次の渡島沼尻駅からだと、松屋崎までは1.5キロくらいなのだが、砂原回りの午前中の鹿部発森行き列車は、早朝6時台とこの9時36分のみ、その次はといえば、なんと6時間後までない。したがって、渡島沼尻で降りてしまうと、以降の行程すべて歩く覚悟で行かなければならない。
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 駒ヶ岳の溶岩台地がつくるスロープの途中、標高60メートルくらいのところに、函館本線砂原回りの線路と渡島沼尻駅はある。なんとも寂しい森の中で、辺りには人家らしきものはまったくない。駅舎も小屋みたいなものがあるだけだ。ここは終戦前の昭和20年、大沼=渡島砂原間が開通したときにできた信号所で、仮に乗降ができるようになっていた。それが正式に駅になったのは、分割民営化でJR北海道ができたときという。
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 ここから30メートル、だらだら下ったところが松屋崎のある海岸だ。ここがまた、地図で見ると高さ30メートルの断崖がぐるりと続いている。道もまったくないので、歩いて行ってもムダになる可能性も高い。
 そこで、車窓に賭けてみたのだが、これも見える確率は非常に低い。予想通り、ほとんど見通しがきかなかった。
 松屋崎の所在地は、茅部郡森町砂原である。「砂原」は「すなはら」ではなく「さわら」で、もとは砂原町といったが、2005(平成17)年に西隣に続く森町と新設合併し、新町名が森町となった。
 旧砂原町(さはらまち)は、駒ヶ岳の北から東にかけての山麓に広がる。農地や牧場もあるが、ほとんどのエリアが原野で、「砂原原野8線」といった住居表示がある。中央の「砂原」の西が「砂原西」、東が「砂原東」となっているのだが、松屋崎の周辺だけが「砂原東」のなかでは、飛び地の「砂原」となっている。だから「砂原東」の東が「砂原」というおかしなことになっている。
 くどいようだが、これではよくわからないようなので、さらに解説すると、西から順にいうとまず「砂原西」があり、次に「砂原」があり、「砂原東」があり、その東にまた「砂原」があるわけだ。
 だが、そんなことほとんどどうでもいいことばかりだ。なぜなら、この周辺には、そんなことを気にするはずの住人が、ほとんどいないからだ。
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 ウィキペディアでは、『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)の38ページを論拠として、“駅周囲に人家は3軒のみで”と書いている。そのデータはもはや古いだろうが、確かに現在の地図でも建物表記はまばらである。が、現在が3軒から増えているのか減っているのかは、定かではない。
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 しかし、でんでんむしとしては、なぜ松屋崎周辺の断崖の海岸付近だけを切り取って、砂原の飛び地としているのか、それにはなんらか理由と事情があったはずで、それを知りたいと思うのに、これまた誰も教えてくれない。
 渡島沼尻駅の“沼尻”も、アイヌ語源で「ヌプ・シリ(野・丘)」からきているのだという。確かに、松屋崎のある砂原の周辺は、まさしくいたるところ野であり、そこらじゅう丘である。
 野を越え、丘をよぎって列車は渡島砂原駅に到着する。鹿部駅から12分しか経っていない。
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*追記 飛地の理由(起因)がわかったかもしれない!
 2013/07/05に“番外:「発掘された日本列島2013」”として紹介する予定の展示会で発表されたなかに、2012年の新発見として「松屋崎の遠見処」の跡というのがあった。砂原の陣屋との関連が当然あったわけだが、そこに示された古資料によると、噴火湾一帯の警備監視態勢の一環として、松屋崎が重要ポイントになっていたことがわかる。
matsuzakijinya.jpg
 また、岬としての地形も現在よりもさらに目立った存在であったようだ。

 ▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
42.116767,140.758775
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dendenmushi.gif北海道地方(2012/09/05訪問)

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タグ:北海道
きた!みた!印(32)  コメント(5)  トラックバック(1) 
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コメント 5

ハマコウ

渡島沼尻駅 の建物はなつかしさを感じさせてくれます
つっかえ棒(柱)らしきものも 何とも言えなくいいですね
by ハマコウ (2012-11-23 08:22) 

ナツパパ

砂原まわりの線路は、メインラインとは違って寂しいですね。
でも、普通列車で車窓を見ているとのんびりできます。
以前乗って、愉しかったことを思い出しました。
by ナツパパ (2012-11-23 14:44) 

ダミアン88

これはまた凄いところですね!
渡島沼尻駅 駅舎?ですか?
ホームもなんだか雰囲気ありますね。
by ダミアン88 (2012-11-23 19:27) 

Rifle

建物のツッカエ棒を久し振りに拝見しました。
板張りの駅舎も、古きよき時代の北海道を思い起こさせます。
by Rifle (2012-11-23 22:02) 

dendenmushi

@ハマコウさん、ナツパパさん、ダミアン88さん、 Rifle さん、みなさんからのコメント、ありがとうございます。

積雪対策なんでしょうかね。つっかい棒をした渡島沼尻駅の駅舎の風情に、反応していただきましたが、やはりなんとなく懐かしいような感じがあるのでしょうかね。
高層ビルのある都会にいても、こういうところに風情や雰囲気を感じるというのは、共通するところがあるんですね。

確かに、ここは「極凄駅」の第1候補かもしれません。この「砂原回り」の線が廃線にならないのも、こうなってくるとちょっと不思議なんですがね。ほとんどやる気がないようなダイヤで…。
今のところ、駒ヶ岳の東を回る公共交通機関はこれだけで、バスも通っていないんですが、ほかではどんどん廃線にしてバスに代替しているけど…。
by dendenmushi (2012-11-24 09:31) 

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