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885 牧ノ鼻=福岡市東区香住ヶ丘5丁目(福岡県)博多湾岸で人工島に囲まれてわずかに残る自然の海岸と干潟 [岬めぐり]

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 東京湾も大阪湾も、そしてこの博多湾も、ここ数十年の間に、大都市をかかえる湾岸はどこも例外なく、その海岸線を変化させてきた。膨張する都市が、埋立によってどんどん海にせり出してきたためである。博多湾岸にも、もっと多くの岬があったかも知れないのだが、和白から姪浜までの間で現在はっきりと残っている岬は、この牧ノ鼻のみである。
 自然の海岸がかろうじて残っている和白から牧ノ鼻にかけては、和白干潟(わじろひがた)と呼ばれる浅瀬がある。明治期頃までは和白干潟だけでなく、博多湾東部にこうした多くの干潟が広がっていたといわれる。干潟の北は現在にも“塩浜”という地名が残っているので、昔は塩田が広がっていたのだろう。
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 牧ノ鼻はここから眺めるのがよかろうかと、シオセ鼻訪問の後、JR香椎線の海の中道駅から和白駅までやってきた。ある情報によると、神功皇后が三韓征伐のときに軍議を行なったのがこの場所で、“会議の意味からわじろ(和白)という名になった”というが、その語源はいまひとつよくわからない。
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 ただ、そんな伝説に謂われの地名を今に引き継いでいることも貴重なこの付近一帯は、現在は主に住宅街で、くっつくようにして並んでいるJRと西鉄貝塚線の和白駅(これも元は同じ会社線だったから、というが未確認)の周辺には自転車がいっぱい。西鉄線の線路を越えて家の間の路地を、海のほうに向かって歩いて行くと、家の切れ目に干潟の海が見えてきた。
 その家の切れ目から覗いた和白の海は、海面にはたくさんの藻が浮かび、ごみも混じっているうえ、少しにおいもある。とてもきれいとは言えない干潟は、冬にはたくさんの海鳥もやってくるのだという。
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 今は鳥もいないし、埋立地でずいぶん奥まってしまった入江には波も立たず、海中に立つRKB毎日の電波塔がだけがおおいに目立っている。電波塔の左手にある丘のようなところの端が牧ノ鼻で、そこから水路を挟んだ対岸には、アイランドシティという広い埋立地が広がっている。アイランドシティは南の一部を除いて、まだ建物はほとんど建っていない。
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 右手は、海の中道大橋で雁ノ巣に繋がっているのだが、あまりはっきりしない。天神の郵便局前から出る大岳行きのバスは、その人工島を通り橋を渡って行くので、だいぶ時間が短縮されるらしい。
 結局そこは通らなかったけれど、おぼろげな記憶が、ちくちくと刺激される。ときどき、こうしてはからずも昔の事故や惨事の場所に遭遇すると、そこでまたより現実的に哀しみや怒りが蘇ったりする。2006(平成18)年に起きた市職員の飲酒運転による橋の上での追突転落事故は、広く社会に衝撃を与え、飲酒社会と車社会の両方に警鐘を鳴らすことになった。
 約400ヘクタールもある人工島は、当然博多湾の海流に影響を与える。その影響はすでに出ているのだろうか。ここでも「守る会」ができて、自然保護を訴え、ラムサール条約登録を目指して努力していると聞いたことがあるが、その後どうなっているのだろうか。
 もうひとつ、記憶では数年前、外来種の危険生物セアカゴケグモが発見され、その現場のひとつがこの人工島だった。その注意を呼びかける福岡県・市の情報によると、それが今年(2012年)にもまたあったようだ。
 外に向かって開かれた港は、さまざまなものがやってくる。
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 和白からだけでは、牧ノ鼻がもうひとつだったので、南からの景色を眺めてみようと、翌日は西鉄貝塚線の香椎花園前駅で降りて、住宅街の間を海に向かって歩いてみた。海といってもそこは人工島との間に、幅270メートルほどの水路が、約1.5キロに渡って続いているだけなのだ。だが、海藻が海面を覆う和白と違って、そこは切れ目のたくさんある特徴のある岩盤が露出し、巻き貝(ウミニナ)などの生物がいっぱいいて、かつての博多湾岸の面影を彷彿とさせる。
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 福岡市は東区の香住ヶ丘は、遊園地の北側、でこぼこの多い丘陵地に広がる大きな住宅団地である。複雑に曲がりくねった道路が、たくさんの坂をつくる住宅街は、比較的大きな立派な家が多い。いつも、地方をめぐっていて思うのだが、狭い敷地に小さな家がひしめく首都圏と比べると、住宅事情に関しては地方のほうが圧倒的に優位にありそうだ。
 高度成長期に開発されたらしいこの香住ヶ丘団地も、年月を経て貫禄を漂わせているようにみえる。この団地の北東部の端が、周りが公園になっている牧ノ鼻なのだ。
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 二日にわたって二度この西鉄貝塚線に乗ったのだが、この電車が小さな駅とともにまたレトロな雰囲気を醸し出している。新宮が終点になっているこの線は、通勤通学の足として、貝塚からは地下鉄線に接続している。
 首都圏のJR“Suica(スイカ)”が、福岡でも使える。これは、想像以上に便利だ。これらカードの名前が、各都市地域でそれぞれうまく方言を使っておもしろいが、ここでは西鉄が“nimoca”でフェレットのイメージキャラを使っていて、JR九州は“SUGOCA”、“はやかけん”というのは福岡市交通局である。
 イメージキャラというのも、やったモン勝ちみたいなところがあるが、そういえばスイカがなんでペンギンなんだろう。
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 西鉄電車の車窓はさほど高くないが、和白駅と唐の原駅の間では、干潟と人工島の間の水面がやっと見える。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
33.675354, 130.42568
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dendenmushi.gif九州地方(2012/10/29〜30訪問)

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タグ:福岡県
きた!みた!印(37)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

ナツパパ

Suicaがはじまりのせいか、caで終わるカードが多いですね。
by ナツパパ (2012-12-10 16:21) 

dendenmushi

@「ca」だけで「カード」の意味だと、みんな理解してくれるからでしょうね。こういうところも、日本語のすごいとこだと思われますね。
by dendenmushi (2012-12-11 05:20) 

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