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番外:『筑前国続風土記』と貝原益軒=西浦から九大学研都市駅(福岡市西区徳永)へまたバスで戻る道々 [番外]

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 バス停の名前には「の」が入る西浦から、また乗ってきた同じバスに乗る。来るときは今津橋から乗ったので、この路線の起(終)点が「九大学研都市駅前」であることに、初めて気がつく。この駅は、JR筑肥線の今津駅のひとつ西寄りの駅だ。
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 途中からは初めて通る道になったと思うと、間もなく九大学研都市駅である。きれいな近代的で大きな駅だ。
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 九大学研都市駅は、昔は大船も入るほどの入江があったというところを、広く見はるかす元浜の上の元岡に九州大学工学部を中心とする施設ができてからの駅だろう。西隣の周船寺駅のほうが九大の丘には近いのだが、再開発に便利なように、周船寺の古い市街からはずれて、何もない立地を選んだのだろうか。
 周船寺駅の西では、福岡市と糸島市の境界線が、狭い道路や田畑の畦をなぞるように、カクカクと這っている。そのさらに西隣の波多江駅(周船寺もそうだが、波多江とはまた、田園地帯の真ん中にある駅名とは思えぬくらいだ)は、もう糸島市。そこまで行かなくても、九大学研都市駅前の周囲には「伊都」の二文字がついた看板も目につく。
 今回の岬めぐりはひとまずこれまでで、“伊都国”の岬めぐりは折りを改めて続けることになる。
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 築肥線の「築肥」は、筑前と肥前(佐賀県・長崎県の一部)を結ぶからだが、昔は筑前・筑後の二国をもって九州九国を代表させ、それを「筑紫」とも称したと、福岡藩士の子として生まれ、一時は浪人経験もあった貝原益軒先生はいう。
 この『筑前国続風土記』巻之一の冒頭では、筑紫の名に触れていて、九州を「つくし」というは島の形が木菟=ミミヅク(ふくろう)に似ているからだとする説があるが、どうみてもそうはみえないので、こういう説は信じがたいとする。でんでんむし的には、九州はマントのような衣服をまとった人が踊っているようにはみえるが、やはりフクロウにみえたことはない。

 ひそかにおもふに、いにしへ、異国より賊兵の襲来たるをふせがんとて、筑前の北海の濱に石垣を多く築り、其故につく石といへる意なるを略してつくしと云なるべし。

 と自説を開陳するとともに、それは文永・弘安の時に始まったのではなく、上古の時代から西藩の国から度々日本を侵したることありとして、その頃から石垣はあったという。そして、鎌倉の北條家が筑前の太宰少弐に書をつかわして、昔より在りし石垣を修補すべきと命じたのだといっている。したがって、この国を「つくし」というのは「筑石」からだとする。

 是前人のいまだいはざる所、篤信(益軒の名)の臆見なれど、しばらくしるして識者の是正をまつのみ。

 と、いささか得意げに以下も長々検証が続いているのだが、それは飛ばすことにして…。
 貝原益軒(1630(寛永7)~1714(正徳4))は、『養生訓』で有名だが、今回福岡に来て初めて、『筑前国続風土記』のことを知った。
 このシリーズでは、あちこちの項目で情報として使わせてもらったが、金印の項で出てこないのは、その発見は益軒先生の死後70年もあとの話だからである。
 『筑前国続風土記』は、益軒自身の強い熱意により、筑前藩内を歩いて書いたものらしいが、藩の事業ではなかったためか死後も出版は許可されず、明治まで写本しかなかったという。つまり、ほとんど人に知られていなかったわけだ。
 今回参考に引用させてもらったのは、益軒先生夫妻の眠る墓がある金龍寺にもほど近い、学校法人中村学園(福岡市城南区)の電子図書館「貝原益軒アーカイブ」からダウンロードさせてもらったPDFファイルによった。記して感謝したい。
 この学校の図書館が、なぜそのようなアーカイブをつくったかについては、トップページで、

 益軒が85年の生涯に残した数多くの著作の中でも、本草学・医学関係の大和本草、花譜、養生訓などや、教育論としてもとらえることのできる大和俗訓、和俗童子訓などは、栄養科学部や教育学部を設置する本学にとって大変興味深いものであり、益軒を学ぶとともに関係資料を調査、収集することは意義あることと言えます。

 と述べている。そうなのだ。益軒先生はわが国ではじめて本格的な本草書を書いた優れた本草学者であった。そして、本草学こそは東洋における博物学の根っこになってきたものにほかならないのだ。
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dendenmushi.gif九州地方(2012/10/30訪問)

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