So-net無料ブログ作成

番外:「発掘された日本列島2013」=江戸東京博物館(東京都)宮内庁もちょっとだけ動かして文化庁もがんばってるよ [番外]

hakkutsuten03.jpg
 でんでんむし的にはたいていのことがそうであるように、考古学的な情報や歴史についても立派なシロウトであってマニアでもなく、きわめて中途半端な興味と断片化した多少の知識があるだけで、なにひとつ自信をもっていえることはない。
 だが、それでももうずっと昔から批判してきたことは、天皇陵の学術調査を拒んできた宮内庁のかたくなな姿勢である。昭和天皇が江上波夫を招いてその話をよく聞いていたとか、三笠宮など歴史に造詣の深い皇族があっても、広く全国各地の陵墓と陵墓参考地は長く菊のカーテンに覆い隠されてきたものである。
 もちろん、宮内庁がいうように天皇家のお墓であるから(とするならば)みだりに掘り返したりはしてはならないという理屈にも、たとえその指定と比定が江戸時代の資料を基にしたあまり根拠のないものであったとしても、一分の理はある。それと、墓所としての静謐を保ちつつ、被葬者への礼儀と配慮を重んじつつ行なう学術的調査研究とは両立できないと、決めてかかることがおかしい。
 だが、その傾向に若干の変化が見え始めた。それを感じたのが、2013年の2月には箸墓(はしはか)古墳(奈良県桜井市)と西殿塚古墳(同県天理市)について、研究者の立入りを認めたことである。
 これは、日本考古学協会をはじめとする考古・歴史15学会協会の求めに応じて宮内庁が許可したものである。その様子は、テレビで見ていると内堀を渡って墳丘の裾を代表として選ばれた人20数人がぞろぞろと徒歩で歩きながら観察するだけのものだった。とても、本格的な学術調査からはほど遠いもので、それで何かが明らかになるというようなものではあるまい。けれども、それでも天皇陵および参考地に指定されている古墳で初めて立入調査を認めたこと、外堀より内側に学術調査の許可が出たということの意味が大きかったと思う。
hakkutsuten01.jpg
hakkutsuten02.jpg
 「発掘された日本列島2013」という展覧会が、両国の江戸東京博物館で開催されるというので、初日の6月8日にいそいそと出かけた。会場は常設展示場の5Fの片隅の、ほんの小さなといってよいスペースで、きっと大混雑するだろうからと開場を待って一番乗りで出かけたのに、拍子抜けするほど閑散としていて、おかげで静かにゆっくりと見学できた。
hakkutsuten04.jpg
 驚いたのは、入口の正面には宮内庁所蔵の「陵墓の埴輪」という特別展示の大物がど〜んと並べてあったことだった。箸墓からでた底に穴の開いた大型の壺とか、百舌鳥古墳群の囲いつき家型埴輪とか…。
hakkutsuten06.jpg
hakkutsuten07.jpg
 えーっ! こんなん初めてじゃない?
 そばに立っていた係の人にそう聞いてみると、やはりそうで初めて一般公開されたものだという。
 学術調査を阻んできた宮内庁自身も、自然災害による古墳の修理修復などに伴ってこれまで何度も発掘調査をしていたわけで、今回その発掘品の一部を初公開した、ということらしい。
hakkutsuten09.jpg
hakkutsuten08.jpg
 “新発見考古速報”とサブキャッチが付けられ、文化庁などが主催するこの展覧会は、これまで知らなかったのだが、ここ5〜6年に渡って毎年その前年の発掘調査の成果を公開するために開かれてきたというのだ。
hakkutsuten15.jpg
 とくに、昨年からは「東日本大震災の復興と埋蔵文化財保護」という特集が組まれている。地震と津波で大きな被害を受けた文化財の、保護と復興に伴う発掘調査の成果をまとめて報告している。これも、知らなかったなあ。
 そのコーナーに立っていた若い係の人と言葉を交わしたが、その人の実家も福島の避難地域にあるのだという。
 この展示では、岬めぐりにからむ新発見もあった。「879 砂崎」「878松屋崎」 に関連して、新たな発見があったと伝えている。こういうのを見ると、またもう一度再チャレンジに行ってみたくなる。 
 今年は、昨年の発掘調査を中心にしているわけだが、宮内庁の共催を取り付けて、こういう画期的で意欲的な仕事をしている文化庁はエライぞ。
hakkutsuten10.jpg
hakkutsuten11.jpg
 文化庁については、前にもいいかげんな管理で高松塚古墳の壁画にカビをはやしたりして、ロクな仕事をしとらんと腹立たしく思っていた。だが、今の長官の近藤誠一さんになってからいろんな変化があったのかどうか。今話題の富士山の世界遺産登録に関しても、長官みずから飛び回っておおいに活躍して力を発揮したらしい。
hakkutsuten14.jpg
hakkutsuten13.jpg
 会場の写真は、フラッシュをたかなければOKということだったが、やはり暗いのでオートのおまかせ写真では、きれいには撮れない。
 展示品などの説明も、いくつか興味深いモノがあったが、宮内庁の書陵部や文化庁のページを参照すれば出てくるので、そちらにゆだねるほうが賢明だろう。
 また、東京は2013年7月25日までで、そのあと福島、松本、高槻、九州と巡回する。朝日新聞出版からは、展示資料の解説本も出ていて、会場のミュージアムショップで2012と2013がおいてあったので買ってきた。これは、会場に行かなくてもアマゾンでも買える。



hakkutsu_2013_poster.pdf


dendenmushi.gif関東地方(2013/06/08訪問)

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ
タグ:歴史
きた!みた!印(35)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 35

コメント 2

ハマコウ

おはようございます
発掘された日本列島展 
地方巡回で近くに来たときには見学に行っていますが
今年は近くで行きやすいところがなく…
宮内庁との共催とのこと ぜひ見学したい と思っています
by ハマコウ (2013-07-05 05:51) 

dendenmushi

@今回は被災地開催もあるのでね。浜松・静岡には行かないんですね。
いやー、うかつにもこれ知らなかったんですよ、7年もやっていたなんて…。
朝日新聞出版の本は、展示に忠実ですから、これだけでも参考になりますね。
by dendenmushi (2013-07-07 05:55) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました