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971 神割崎=本吉郡南三陸町戸倉・石巻市北上町十三浜(宮城県)クジラを切り分けるようにすっきりとはしない境界線の話 [岬めぐり]

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 宝暦年間(1751〜1763)に小滝と寺浜の間の浜に、大きなクジラが弱って流れ着いた。人々はこれぞ天の恵みと喜んで分け取りにしようとしたが、ふたつの村がそれぞれ欲を出して、ここは自分たちの領分だからクジラも全部自分たちのものだと主張し合った。それまでは仲良くしていた小滝と寺浜が、互いにその占有権を主張して対立し、クジラを前にして三日三晩も争った。
 ことは登米奉行に持ち込まれたが、奉行も決め手がなく困ってしまう。すると、三日目の晩にものすごい雷雨が襲来し、大音響と共に落雷があった。
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 翌朝、両村の人々が行ってみると、横沼と呼ばれていたところの大岩が真一文字に割け、人が楽に通れるほどの隙間ができていた。
 小滝と寺浜の人々は、「これこそまさしく神業ならん」と畏怖して、クジラは両村で仲良く分け合うことにし、以後その割れ目(というより裂け目か)をもってふたつの村の境界と定めた…。
 そういう謂われが今に伝えられ、その名が残る神割崎は、なるほどみごとに岩がふたつに裂けたようになっている。だが、その岩は岬になって南に向いて小さく突き出たところで、先端が岩島になっているだけだ。
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 だから、あえて理屈を持ち出せば、境界線を引くには、いささか不自然な場所なのである。
 県道398号線からは、少し北西側に入ったところにあるそこには、駐車場やトイレも完備し、立派な看板や標識も立っている。どうやら、観光ポイントになっているらしい。
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 神割崎キャンプ場へ向かう道のそばから、トントンと岩に囲まれた小さな入江に下っていくと、正面に神割りの岩の隙間が見える。この隙間はほぼ東を向いているので、おそらく年の何日かは、この隙間に朝日が昇るという絶景も約束されているのだろう。
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 現在の住居表示地名では、南三陸町戸倉と石巻市北上町十三浜となっていて、小滝も寺浜もないのだが、国土地理院の地図では、石巻市と南三陸町を分ける境界線の南側に小滝、北側に寺浜と表記がある。そして、境界線は県道から東南へ下ってでこぼこの岬を分け、その先端に神割崎の表記がある。
 毎度のことなのでもはや驚きも呆れもないが、ZENRINソースのその他大勢のネット地図では、そろって国土地理院に逆らって、東南ではなくはっきりと南に向かう別の境界線を主張している。
 ここもより明確な神様の裁定が欲しいところだが、税金もきちんと払っている善良な国民の一人としては、その他大勢の多数決ではなく、やはり国土地理院のほうを信用することにしたい…ところだが…。
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 どちらも、地図にはこの岩の裂け目まで、はっきり表示しているわけではないが、岩の裂け目が境界となったという言い伝えにも、どちらかといえば裂け目のすぐ上の岬から東へ線引きをした国土地理院のほうが、理屈にあっているかもしれない。それとても、岬の出っ張りの上に線を引いたのでは、裂け目の部分はまるまる石巻市の領域になってしまう。
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 あれっ、そうしてみるとここは裂け目に沿って東西方向にではなく、裂け目を南北に横断して、裂け目自体を半分にして分け合ったZENRINの境界のほうが正しいのだろうか。う〜む、悩んでしまうな。(正しいといっても、ZENRINの海岸線は、ほとんどでたらめなので要注意。念のため)
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 それを確かめる何かが、ひょっとすると岬の上にあるのかもしれない。そう思って、松林のなかを枯れ松葉がふかふかする道を入って行くが、どこにもそれらしきものはない。
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 国土地理院が境界の汀としているのは、ちょうどこの岩の裂け目が外海に面した場所である。
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 岬の先端からは、南に向かう展望が開けている。そこに伸びているのは、北上川の河口から延々13キロにも渡る石巻市北上町十三浜の長い長い海岸線の、北東の一部である。
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 この途中には、金比羅崎という岬もあるのだが、結局そこには行き損ねた。付近のバス路線をもつ宮城交通と、この日の宿である弁天崎のホテルに尋ねたところ、ここはバスが走っていない、公共交通機関がないというので、あきらめざるを得なかったのだ。が、…。
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 西に入っている金比羅崎は見えないが、はるかにかすかに見えるのは石巻市雄勝町の峠崎や大須崎付近である。ここまでは、2010年の09月に訪問し、2011年01月01日の「656 峠崎=石巻市雄勝町船越(宮城県)峠から降りてくると荒アラここがギョぎょ魚竜の浜」 と、03日の「657 大須崎=石巻市雄勝町大須(宮城県)コンブかワカメか迷った末結局コンブと判定したが」 として項目に上げてある。大震災と大津波がこの地方を襲う半年前に訪問し、2か月と10日前にブログに掲載していた。
 今回の宮城県北部の岬めぐりは、「654 走ヶ崎」 から金比羅崎そして神割崎へ、石巻市から南三陸町につながるはずだったのだが…。

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
38.630387, 141.528339
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dendenmushi.gif東北地方(2013/07/02訪問)

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きた!みた!印(35)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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きた!みた!印 35

コメント 2

MyR-Life

神割崎の言い伝え、面白く読ませていただきました。こう云うの大好きです、ありがとうございました。
by MyR-Life (2013-07-11 09:56) 

dendenmushi

@MyR-Life さん、こういう話、たくさんありますね。なぜ、そんな話ができたのか、そういうところにへそまがりの興味はあるわけですが、この場合は、境界ができてからその後づけにつくられた話のような気がします。
by dendenmushi (2013-07-12 19:20) 

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