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983 末の崎=本吉郡南三陸町歌津(宮城県)昔からの字地名が通じなくなるとは世も末?とまでいうのは極論だが… [岬めぐり]

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 なるほど。神社の脇から上り始めてしばらく歩くと、道はすぐ下りになった。未舗装の狭い道は、畑に向かう軽四輪などのために設けられたものであろう。どんどん下って、いったんまた浜に出る。そこからまた、改めて上り直すのだが、もともとこの歌津の半島全体が、最高点で50メートルくらいしかないので、しんどい道ではないが、荷物も担いでいる。
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 歌津駅前も、コインロッカーがあるような状況ではないので、それもしかたがない。石浜でタクシーを降りてから、山と畑の中を上ったり下ったりしながら1.3キロも歩くと、末の崎の突端手前で道が消える。
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 ここが、いちおう北の端なのだが、岬らしいところがまるでない岬である。先端へは道もなく林に隠れているし、海に面した断崖や岬の周辺をとりまく岩磯の姿も、畑のそばから木々の隙間にかろうじて確認できる、という程度で、岬らしい展望もない。
suenosaki03.jpg 人家など人の気配からも遠く、あるのは藪に囲まれた出っ張りの上を耕し、収穫の終わった畑だけである。そう高くない台地の上は比較的平らなので畑の耕作に適しているのだ。
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 灯台も展望台も東屋も、岬の名前を示す標識も、とにかくなにもないのだが、もちろんそんなものを期待して、ここまで来たわけではない。
 地図を見ていて、ここはぜひ歩いて行ってみたいと思っただけなのだ。
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 その名は、“The End”の意味からきているのだろう。英語のendから派生する意味には「末端・行き止まり」というのもある。日本語でも「末」は終末の意で、「末の崎」は間違いなく、“ここで地面はおしまいだよ”と告げているのだ。
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 末の崎へ通じる一本道の周辺は、字地名を平棚という。これも明らかに地形的特徴からついた名であろう。その南のタクシーを降りたところの集落付近が石浜で、ここの浜には石がごろごろしていたからなのだろう。
 こういうわかりやすい字地名ばかりではない。その南は、水もないのに北の沢で、そのさらに南に続く地域は名足という。
 これらは、いちおう電子国土では表示されているのが、一般的に近頃ではこういった字地名が表に出にくくなっている。Mapionにもいいところがあって、そのひとつは、すでにYahoo!地図ではやめてしまった、地図上のポイントの住所表示をちゃんと示していることである。
 でんでんむしが勝手に「歌津半島」と書いている広い地域は、それでも「宮城県本吉郡南三陸町歌津」とまでしか表示されていない。表示されるのはいいのだが、残念ながら字地名まで出ないのでは、場所の特定まではできない。その地図上にも、バス停や恣意的に出てくる施設名など以外に字地名の表記はない。
 以前は、初めての場所であっても、地図をひととおり眺めればだいたい頭に入って、あとはいちいち見なくても歩けたものだ。それに、どこをどう歩いたかも、後日に地図を見ればそのコースや位置やそのとき見た景色が、録画映像を再生するように確かめられたものだ。
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 ところが、最近ではこれらの機能がだんだんに衰えてきたような気がする。歩いてきた途中の景色が、どうしても思い出せない。今、自分がいる位置がどこか、それを地図で把握することにさえ、手間取り苦労するようになってしまった。
 そういうときに手がかりとなるのが、ほかならぬ字地名なのだが、これがまただんだん通じなくなってきている。
 帰りは、BRTの陸前港まで歩くか、また歌津の“伊里前福幸商店街”まで行く町民バスを待つか、の二択があったが、もう歩くのもしんどいのでバスを待つことにした。
 ところが、バス停の表示がないうえにあらかじめ入手しておいたバスのダイヤでも停留所が一部しか示されていないので、どこをどう通ってくるかがわからない。
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 石浜で数少ない人影を探して尋ねてみたが、バス停がどこかどこを通るかもわからないし、北の沢もわからないという。唯一の手がかりはダイヤにもあった北の沢だったのである。それがどこかわからないとは…。
 これは国土地理院の地図にも示されている。とにかく地図上でみて、そこらしい場所を目指して歩くことにする。タクシーを降りるとき、「バスが通る道は変わることがあるから、もう少しこの先で待っていたらよい」と教えてもらっていたことを思い出した。その真意はよくわからないところもあったが、北の浜まで行くほうが確実だろう。
 北の沢は、石浜から内陸に寄った南側である。それとおぼしき道を歩いて行くと、小さな峠のようなところに出た。このあたりだろうとは思うが、さっぱり看板もなにもなく、自信がもてない。峠の下を見通しても、それらしい感じはない。万一、違う場所で待っていたら大変なことになるので、バス停はどこか、役場に電話で問い合わせてみることにした。
 まったく目印のない現在地を言葉で説明し、相手に理解してもらうのに苦労する。石浜から道路を山手に上ってきた峠の上だと説明しても、北の沢がどこかを向こうも的確に把握していないようで、話がまるで通じない。だんだん、時刻表に示されている時刻が迫ってくる。
 もたもたしているところへ、峠の上の家から年配の女性が傘をさしてわざわざ降りてきた。なにか余所者がうろうろしていると、不審に思われたのだろう。その人に、「北の沢のバス停はどこでしょうか?」と聞いてみると、「ここだよ」という返事だった。やれやれ、助かった…。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
38.739821, 141.564171
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dendenmushi.gif東北地方(2013/07/03訪問)

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