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1054 岩崎鼻=長崎市香焼町(長崎県)ネコたちに聞いてみてもわからないだろう灯籠崎が岩崎鼻になったわけは [岬めぐり]

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 長崎は今日は晴だった。だが、やっと晴れた今日は、もう午後の早い便に乗って、羽田へ帰らなくてはならない。この長崎シリーズは、ずっとお天気が悪かったせいで、あまりぱっとしなかったし、計画通りにはいかなかった。
 せめて、昨日積み残した香焼周辺だけでも、行けるところまで行ってみようと、早朝グラバー園下から香焼へ行くバスに乗った。
 長崎バスは、どうもよくわからない。路線図には「岩崎鼻」という停留所が香焼へつながる路線上にあるので、てっきりそこに停まるとものと思ったら、それがそうではない。
 島だった香焼島は、1968(昭和43)年に深堀と香焼の間に広がっていた海水面の埋立工事の完成とともに陸続きになる。
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 深堀から埋立地の工場地帯のなかに入って行くバスは、まっすぐで広い道路でそこを突き抜け、埋立以前は島だった香焼の低い山に突き当たり、右折して三菱重工長崎造船所の門の前まで行く。出勤の何人かの人を降ろすと、バスは向きを変えて香焼の里という集落へ向かう。が、どこにも岩崎鼻というバス停がないようなので、運転手さんに聞くと、そういうバス停はないけどと首を捻っている。
 首をヒネリたいのはこっちなんだけど…。
 そのまま乗って行くと、香焼の奥の恵里まで行くというので、まだ海が見えるところであわてて降ろしてもらった。恵里は山の間に開かれた住宅団地らしいので、そこへ行ってもしかたがない。…と、そのときにはそう思った。
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 里というのは、香焼が島だった頃からの小さな港がある古い昔からの集落だったようだ。その名は地理院地図にもあるのだが、香焼本村といわれている。その周辺でもさらに埋立や工事が進んでいて、大きな団地らしい建物が二棟建設中だった。
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 地図を見ると、岩崎鼻の表示は、その新しい埋立地の端にあたる。確かに恵里へ行くバス路線からは、だいぶ外れている。バスを降りたところからてくてく深堀のほうに戻っていくと…。
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 すると、そこでやっと岩崎鼻というバス停に出会った。ところが、そのバス停は長崎バスのではなくて、コミュニティバスのだった。コミュニティバスは、平日しか運行していないので、今日は乗れない。
 岩崎鼻もやはり埋立で消滅したというのが、ほんとうなのだろう。現在はまだ地図上にもその痕跡をとどめてはいるが、この先もずっとこの名が残るかどうかは疑問だな。
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 工事中の建物の間を抜けて、護岸の歩道に出て歩いていると、そう思えてくる。岬の片鱗は、すでにどこにもないのだ。埋立地の端っこの角がそうだといわれても、その記憶はおそらく長続きはしないだろう。
 これまでも数多くの岬が消えていったように、そうして岩崎鼻もいずれはなくなってしまうのだろう。考えてみれば、岬というのは新しく生まれるということはほとんどないだろう。ということは、減る一方なのだ。それは、これまで何度か引き合いに出してきた伊能忠敬の記録のなかには、現在は残っていない岬の名前がたくさん記されていることからも類推できる。
 ここも、コミュニティバスが続けば、バス停は残る。地名としては残る。そういう、実態はなくなっても名前だけが残る例も、全国にはたくさんある。
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 里の港から岩崎鼻までの間の一角は、他の広い埋立地のなかでも工場ではなく、町に提供された用地のようで、そこには建設中の団地のほかにも、公民館や小学校夜中学校や診療所などができていた。
 そこで、はたと気がつく。ここに岬の名前が残ってきたということは、埋立以前からここには岬があり陸地があったわけだ。いまさらのようだが…。
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 改めて、前項に紹介した伊能図を確かめてみると、現在の香焼小学校から岩崎鼻にかけては、そこだけ岬が飛び出ていたことが確かめられる。そして、「測量日記」にはここには灯篭崎という名があり、石灯篭もあったことがわかる。香焼の港の出入口をつくっていた灯台のある岬だったわけだが、それをつぶして広い埋立地の一部に取り込んでしまったことになる。
 そして、どういうわけで灯篭崎が岩崎鼻という名前になったのだろう。これも状況証拠的にはそう古くからのようにも思えないが、まさか「岩崎」だからって、三菱がらみじゃないだろうね。
 三菱重工の長崎造船所のところも、香焼島が細長くでこぼこといくつかの島で北の端の長刀鼻まで続いていたようだ。埋立はそういう香焼島の形を利用しながら進められたようだ。
 岩崎鼻の堤防の内側では、昨日までの雨でできた水溜りが残る空き地で、ネコの集会が開かれていた。写真のフレームからはみ出したところにも2匹いた。民家もないこの付近に、ネコが8匹も寄り集まっているのも不思議な気がしたが、今日の議題はなんだろう。「ちょっとお尋ねしますが…」
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▼国土地理院 「地理院地図」
32.687036, 129.81451
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dendenmushi.gif九州地方(2013/11/05訪問)

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タグ:長崎県
きた!みた!印(34)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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きた!みた!印 34

コメント 2

ハマコウ

現地でしか分からない情報 いつもありがとうございます

埋め立てによって消えていく岬 地名  寂しく思います

バス停の名でかつてのことが分かることも多いですね
わたしの住む地域に「病院前」というバス停がありました
大正期 昭和前期には 遠くから患者が来るくらい有名だったそうですが
わたしの生まれるずっと前にやめてしまったとのこと
立派な屋敷は残っていたのでこの間までバス亭名として残っていました
しかし 少し前 路線変更によってバス亭も消えてしまいました
バスの乗客数の減少 大きな課題ですね
by ハマコウ (2014-01-05 10:28) 

dendenmushi

@ハマコウ さん、バス停の名前っておもしろいですよね。よくその地域のことを示していたりします。
ほんとにバス停もバス路線も、いたって簡単になくしたりできますからね。変動も激しい。
それにしても、全国のバス会社にはがんばっていただきたいし、よそ者がみてもわかるような情報提供、路線図を充実させてほしいと思いますね。

by dendenmushi (2014-01-06 10:23) 

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