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1056 竹崎鼻=長崎市香焼町(長崎県)横島のみたうたかたの夢は島ととともに波間に消え岩だけが残ることに [岬めぐり]

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 戦前の資料などによれば、香焼の誇るものとして造船と炭鉱をあげ、これが村の宝でありその隆盛によっておおいに発展した云々といった書き方をしている。造船は今も続いているが、当然ながら炭鉱はとうに閉山になっている。
 炭鉱が最も盛んだったのは、明治も半ば頃のようで、その当時には竹崎鼻の沖合南西600メートルちょっとのところにあった、横島での採炭が進められていた。その当時の横島には、なにしろ住宅や病院から小学校まであった、というくらいだが、はてその横島が見当たらない。遠くに見えるのは高島で、この向こうに中ノ島や軍艦島はある。
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 確かに地理院地図にも島の形は描かれているが、とても小学校までできるような大きさではない、ちょこんとした岩礁程度である。
 深堀のほうからだけしか見ていないので、遠くからの写真でははっきりとわからないくらいの岩礁なのだろうか。ほとんど竹崎鼻のテトラポットの陰に隠れていて、ちょこっとだけ端の岩礁が見えるのがそうだろうか。
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 遠見岳から流れる尾根は、ふた手に分かれ、東の梅ノ木鼻とは別にもう一つの尾根が南南西に張り出していて、その先に竹崎鼻がある。その尾根の両側に、尾ノ上と安保(あぼ)という集落があり、この辺りがかつての炭鉱の町だったようだ。炭住なども、比較的最近まではあったというが、今ではその跡を偲ぶくらいしかない。
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 竹崎鼻は、50メートルほどの丘の先で岩礁も伴っているようだが、その周囲はきれいに直線で護岸がされている。竹崎鼻周辺も、炭鉱のボタで埋め立てられたものらしい。
 横島が活況を呈していた頃は、ちょうど軍艦島のように埋立と護岸で炭鉱の島をつくって海底の坑道を掘っていたが、約12万トンを出炭したところで、“盤ぶくれ”に遭遇してしまう。“盤ぶくれ”というのは、地圧で坑道の壁が押しつぶされるようになり、天盤も下がってくるような状態になることだという。
 こうなっては、閉山するしかない。横島炭鉱の隆盛は、わずか8年で終わってしまう。島を取り囲んでいた石垣は、軍艦島のほうに運ばれたというが、そのため人工的にできていた島の土砂は波にさらわれて流失してしまった。
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 長い間に、残っていた島も沈下水没して、今では二つの岩が波間に頭を出す岩礁が広がるだけになっているのだ。
 香焼島の炭鉱は、戦後も別の会社が引き継いで、1964(昭和39)年頃までは続いたので、安保(あぼ)にはその痕跡も長く残っていたが、それももはやきれいになくなってしまったらしい。
 長崎では、ここ横島や軍艦島(端島)や池島など、海底を掘った炭鉱の遺跡もさまざまに伝えられているが、そこで働く人々の待遇や就労環境などは劣悪を極めていた。それは、いまどきのブラック企業などの比ではない。「繁栄」とか「発展」とかいう決まり文句の裏には、たいていはこういう犠牲があったことも事実である。
 安保では大正年間に大規模な“安保闘争”があったとされるが、警官隊に抑えこまれ、それで待遇が改善されたということもなかったようだ。
 安保の集落から竹崎鼻まで延びる埋立地は、半生記もの間、未利用のまま空き地だったが、現在はここにソフトバンクの大規模太陽光発電所(メガソーラー)ができているらしい。が、深堀からでは、その様子は観察できない。
 やっぱり、バスを里で降りずに恵里まで行ったほうがよかったと、後になってからはそう思う。そうすれば、ソーラーパネルが並ぶ竹崎鼻の写真も撮れたし、横島の岩礁も確認できたはずだった。また、石炭を港に運んで積み出すために掘られた安保トンネルも…。
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 香焼には、この恵里の北東側にさらに栗ノ浦と辰ノ口というふたつの集落があり、それぞれ栗ノ浦鼻と玄牛鼻という岬があるが、バスはコミュニティだし時間に余裕をもって歩く覚悟で行かないといけない。その先には伊王島があるが、これも橋ではつながっても長崎バスが通うわけでもなく、今回は積み残しになってしまった。
 これが計画と実際に現地での行動が、必ずしもうまくフィットしないむずかしいところだ。心は残るが、ぼつぼつ空港に向かうために戻らなければならない。
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▼国土地理院 「地理院地図」
32.678286, 129.803567
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dendenmushi.gif九州地方(2013/11/04訪問)

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タグ:長崎県 歴史
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