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大浜信泉記念館から亀甲墓まで飛び飛びながらつながっていくように(39) (石垣島だより シーズン2) [石垣島だより]

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 “しんせん”しんせんと勝手に読んでいたが、正しくは“のぶもと”という。苗字の方も“大浜”で通っているがこれも厳密には“大濱”らしい。大浜信泉は石垣島の登野城に生まれ、早稲田大学の総長を14年も勤めあげた。1954年に総長在任中から故郷沖縄の本土復帰運動に力を注ぐ。
 東大の茅誠司・大河内一男という総長ラインで「沖縄問題を話し合う会」を結成し、これが発展した沖縄問題解決促進協議会では代表委員を努めた。いわば、率先して沖縄の本土復帰に尽力した人である。その結果が、いわゆる「核抜き本土並み」の沖縄返還であった。
 この人の記念館が、離島桟橋にも近い登野城漁港のそばにある。前から気になっていたけど行く機会がなかったので、今回は散歩がてら訪ねてみた。
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 いろんな記念館にも行ったことはあるが、この記念館は展示内容も極めて個人的な記念品的なものばかりで、取り立ててどうということもないものばかりだ。この記念館がどういう経緯で、どこからお金が出てできたのかもよくわからなかったが、早稲田の塔を模したという時計塔がついた建物は、その一部屋が記念館になっているだけで、あとはいろいろな催しや会合に使われる会議室などが主で、教育研究所という看板もある。
 隣に広がる庭には銅像があって、その台座には「人の価値は、生まれた場所によって決まるものではない。いかに努力し、自分を磨くかによってきまるものである。」というこの人が後生に残したという言葉の一部が刻まれていた。
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 記念館そのものと展示物には、格別の感銘をもよおすようなものはなかったし、わざわざ訪れる人も稀なようで、記名帳には一か月も記帳がない。だが、ここを訪問して思ったのは、沖縄の八重山の人々の郷土愛というか、そんな気持ちの強さであった。これも、ちょっと形は違うが、それを発展させていけば先輩や年寄りや先祖を思う心などに、十分無理なくつながっていくように思われた。
 石垣島で個人の名を冠した記念館といえば、あとは新川にある具志堅用高記念館くらいだろう。チャンピオンベルトをした彼の黄金色の立像は、離島ターミナルの桟橋にも立っているくらいで、これも郷土の誇りなのだろう。
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 八重山(沖縄)では、なにも有名人でなくとも、年寄りや先祖を大事にする。それは、核家族ばかりの都会ではおよそ想像がつかないほどである。家族の老人の数え年61歳の還暦祝い、73歳の古希祝い、85歳の八十五祝い、88歳の米寿・トーカチ祝い、95歳のカジマヤーなどには、一家眷属集い盛大なお祝いの宴を開くという慣わしがある。余裕のある家では、島で一番高級なホテルとされるANAインターコンチネンタル石垣リゾートの宴会場に盛装して集い、派手な祝宴を開くのである。最初、そこでその現場に遭遇したときには、ちょっとびっくりしたものだ。
 これには、年寄りでなくとも、生まれた干支の年を祝う生年祝い(トゥシビー)というのがあることも関係する。数え年での13歳(十三祝い)から始まるが、年を取るごとにその行事も重みを増すようだ。
 それはとりもなおさず、単なる敬老の枠を越えて個人の歴史をも大切にすることにつながるので、その蓄積は家の歴史や伝統を守り重んじることにもなっていく。それがまた、先祖の祀りや地域のさまざまな祭祀にも脈々と受け継がれていると思える。
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 石垣市の市街地の北寄りには、二列くらいの墓地の帯がある。そのうちの内側の一列については、もうすっかり住宅街のなかに取り込まれてしまって、ところどころに残っているだけになっている。
 沖縄の墓地は独特で、元々は大きな亀の甲羅のような形をした亀甲墓だったものが、長い間に徐々に変形しながら、今に至っているようだ。亀甲墓そのものは、与那国には多く残っているが、石垣ではだんだん少なくなるようで、最近の墓は屋根の上に本土の墓石を載せたようなものが多い。
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 共通しているのは、墓前にちょっと広い空き地が設けられていることで、宮古島ではここに軒や屋根があるのが特徴である。清明(シーミー)と旧盆、旧正月の先祖供養には、ここでまず掃除をして、シートなどを広げてみんなが座れる場所をつくり、用意してきたお供え物を供え、重箱料理を広げるのが慣わしである。
 先祖供養をする料理の内容にも、ちゃんと決まりがあって、なんでもいいわけではない。かまぼこ、揚げ豆腐、天ぷら、田芋、昆布、ごぼう、こんにゃく、皮付き三枚肉の9品を奇数だけと決まっているのだという。シーミーでは、年配者は必ずお墓に入っている先祖の話をして聞かせる。そうして、先祖から受け継いだ命を大事にしなければならないこと、家族親族一族のつながりと結びつきを再確認させる。 
 なんか、うらやましいような、めんどくさいような…。いやいや、やっぱりおおいにうらやましいです。
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dendenmushi.gif沖縄地方(2014/02 記)

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タグ:沖縄県
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