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番外:崖の鼻…ではなくてこれは花1=家の前の崖に咲く花(神奈川県)時間稼ぎの番外が少し続きます [番外]

 でんでんむしが背負っている殻…ではなくて棲家は、もう築ン十年の古家である。その当初にこの土地を選んだ理由はいくつかあるが、できるだけ他所の家が目の前に見えないところというのも大きかった。そのときには、夏目漱石が『門』で描いた、宗助とお米の「崖の下の家」をなんとなく意識していたのかもしれない。
 「廂に逼るような勾配の崖が、縁鼻から聳えている」というほどではなく広い道路を挟んでいるが、「朝の内は当たって然るべきはずの日も容易に影を落とさない」という事態になるところは、冬至の前後に限っては似たような状況である。
 別に人の妻をとったわけではないから、彼らのように人目を忍んで住む必要もないが、「すぐの崖下だから、多少陰気ではあるが、その代り通りからは尤も隔たってるだけに、まあ幾分か閑静だろうというので」宗助とお米が相談のうえ崖の下の家を選んだ理由とも、いくらかは似ている。
 山を開いた新興住宅地の南のはずれで、大通りからは少し奥に入っていて、おまけに南が崖だから、自分の家の居間やその他の居室から、隣近所の家が視界に入るということがない。こんなところはほかにはあるまいと、これは実は密かに自慢している。見晴らしがよくて海が見えるというのもいいが、風当たりが強すぎる。それとはまた違うが、崖を借景にした景色もまた別の趣があっていいのである。とうぜん、かなりの海風で山と木々がうなりをあげても、下はなんともない。
 崖の上にはお金持ちが住んでいるというわけではなく、ヤセ尾根が南の鉄道の線路に伸びていく谷戸をつくっているだけなので、浅く低い山ながら自然の雑木林のなかで、一日中さまざまな野鳥が入れ替わり鳴き交わしている。今年のウグイスも、やってきて鳴き始めた。もうすぐ、ホトトギスも鳴き出すだろう。ときには、野生化したリスが木々の間をするすると走っていたりする。
 猫の額ほどの庭も、崖とは道路を挟んで続きのようなものだから、スズメはもちろん、オナガやメジロなどいろんな鳥が降りてくる。
 その庭には、越してきたときから、サクラとモミジを大きく茂らせるのが夢であった。今やその夢も実現してはるか後ろのほうに通りぬけ、大きくなり過ぎたサクラとモミジは、結局両方ともとうに切らなければならぬ羽目になってしまった。
 ここに住み始めた頃の崖は、シロウト診断では第三紀層の砂泥岩の地層が模様を描いていて、上の一部には見事な褶曲の地層を露出していた。下のほうの地層からは、小さな白い二枚貝の化石がたくさん見つかっていた。崖は山を削って住宅地にする大工事のために、人為的に出現したものである。
 たが、何年も経つと木々が茂り始め、いつの間にか大きな木々が道にはみだしてかぶさるようになって、市が刈りこみを行なわなくてはならなくなったりした。また、崩れるような崖ではないが、山向こう側の谷戸の宅造工事に絡んで、落石防護用の鋼鉄製のネットを貼るという騒ぎにもなったりして 、市では崖と道路の間に立派な石垣と金網を張った防護柵の工事をした。
 そのネットの間から植生がまた自然に復活して、すぐにネットも隠れてしまった。その植生が、なかなか不思議だなあと思ってみているが、だんだん経年とともに微妙に変化していくのはわかる。
 今年の春、家の前の崖には、こぼれ種や風に乗って飛んできた新顔も含めて、いろいろな花がいっせいに咲いている。もちろん、崖の上にはサクラも何本かあって、ちょうど目の前に白い花びらのオオシマザクラや少しピンクがかったソメイヨシノ花びらが雪のように舞い降りて、崖にも道路にも庭にも降り積もっている。
 そんな家の前の崖の花を、これも記録の意味を込めて、また次の岬めぐりの材料仕入れが整うまでの時間稼ぎに…。
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 まずは、名前もよく知らないようなやつから…。(マクロレンズがすぐに出てこなかったので、いつもの岬と同じ普通のデジカメのオートです。なにしろ、写真には凝らないもんで…。よく花をきれいに撮っておられるみなさんからご覧になると、おそまつですんません。)
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dendenmushi.gif関東地方(2016/04/10 記)

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コメント 1

dairo

黄色いのはクサノオウ(たぶん)、紫はムラサキキケマン、白いのはハナニラじゃないかな。我が家にも図鑑類はいっぱいあるんですが、見ただけではわからんですね。田島君と歩くとよくわかります。
by dairo (2016-04-17 14:43) 

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