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184 竜宮岬=いわき市小浜町(福島県)なにしろバスの便が悪くて? [岬めぐり]

 三崎という岬が東の端であれば,竜宮岬は小名浜の西の端にあたる。この間はおよそ10キロ以上はあるようで、これをすいすいと横流れできた訳ではない。永崎の大平からバスに乗って,港湾施設と工場地帯が広がる小名浜をかすめて、常磐線の泉駅まで行く。そこから一駅で植田駅まで行き、そこからタクシーに乗ってやっとまた海まで出た。
 つまり、ぐるっと山側を大回りして,来たことになる。比較的海沿いを走って北上してきた常磐線が、勿来の関を越えるところからだんだん山よりに線路を寄せていく。四倉・久之浜でまた太平洋岸に戻るのだが,ここだけ山よりになっているのにも、ちゃんとした理由がある。もちろん、それは常磐炭坑のためであろう。
 常磐線も小名浜を通ることがなく、その申し訳のように最寄りの泉駅がきれいになっている。ここから工場と港のために臨海線が敷いてあるが、今も使われているのだろうか。
 本来なら、この小名浜を横断して植田・勿来を結ぶ,公共交通機関があってもよさそうなものだが…。「それが、ないんですよ。以前はバスが通っていたんですけどね」タクシーの運転手さんが、すまなさそうに言う。
 地図だけを見ていると,道はどこまでも続いており,大きな道があるところはどこでもバスが走っているような思い込みをしてしまうが、実はバス路線があるところは、案外に少ない。それも、前はあったのがなくなっている、というのは無性に寂しい気がする。泉の駅にも、泉駅と小名浜のマリーナ間の路線が10月から廃止になったという張り紙がしてあった。岬めぐりをしていると,日に2〜3本通っているバス路線が、ほんとにすばらしいことのように思えてくる。
 竜宮岬がある小浜というところで降りるとき,運転手さんは「この先には照島という島がありましてね,そこらも景色のいいところですよ。時間があったら足を伸ばしてみられたら」と勧めてくれた。

 険しい峰になってそれが海に達している竜宮岬へは、植田の方から来ると,一山越えるような感じになり、その高いところを「台」と呼び、海に降りたところが「渚」と呼ばれている。無駄がない字名である。屹立する白い崖を波が直接洗っている岬もまた、無駄なものがなにもないという風情である。
 こういう岬は、片側だけがこうでも反対側は防波堤や港になっていたりすることが多いが、ここでは裏表も違いがあまりない。すっきりとしたきれいな岬で、「竜宮」という連想も、なんとなく違和感がないかも。

 渚の方が漁港になっていて,台よりが砂浜の海水浴場になっている。日曜日のため、ここでも浜でバーベキューの宴を張るグループや家族連れ、堤防は釣り糸を垂れる人がいる。
 運転手さんが勧めてくれた照島は海鵜の生息地であるあるらしい。地図を見ると、この海岸は全部ゴルフ場が占領していて海沿いは歩けないし、バスもない訳だからサンマリーナの方まで道を歩かなければならない。このサンマリーナのところにも,岸壁に「八崎」という表示があった。これも岬か。だが、ここまではバスもなくなっているし、どうして行くのだろう。

 もう日が暮れかかってきた。テトラポットの向こうには,北茨城の岬も見えている。今回のつもりでは、できれば大津港を再訪して、岬を回ってきたかったが、なにしろバスの便が悪くてはかどらず、時間切れになってしまった。植田駅に戻るためタクシーを呼ぼうとしたが,ここでも公衆電話というものがまるでない。
 とうとう延々歩いているうちに、火力発電所の前まで来てしまった。原発が中心になり(福島県は原発県なのだ)公害がいわれるなかで、だんだん肩身を狭くしてきた火力発電だが,その原発がつぎつぎ運転できなくなってまた頼りにされているらしい。ここ常磐火力では、燃料のガス化による再利用など、無公害と省エネの新しい火力発電を目指しているところでもある。これも,実は運転手さんに教えてもらった。

 発電所の煙突をみながら、なにもない一本道をひとり公衆電話を探しててくてく歩いている姿は,傍からみると“みじめ”に映ることだろう。“自動車も持たずケータイも持たず”というのが、あえて世の中の流れに逆らうへそ曲がり故のスタイルであるとしても、それがだんだんと単なる“少数派”はとうに通り越して,いまや“絶滅危惧種”にまでなってきたことを痛感せざるを得ない。
 別に、だから保護してくれとは思わないが、世の中は数が多い方,主流ばかりでなりたっているわけでもない。原発一辺倒で突き進んでも火力が支えるときが巡ってくるように、バランスが常に求められている。その流れの中に生きていれば,竜宮から帰ってきた浦島太郎のようにはならないものの…。

▼国土地理院 「地理院地図」
36度54分37.15秒 140度49分52.74秒
184りゅうぐうみさき-84.jpg
dendenmushi.gif東北地方(2007/10/14 訪問)

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タグ:福島県
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きた!みた!印 5

コメント 6

通りすがりの者ですが

お疲れ様です。
これまでも更新を楽しみに読ませていただいておりました。
しかし、懐かしい地名が出ているので、思わず書き込みです。

私は明日、親知らずへ向かいます。
天気予報では雪か雨とか  季節は冬なんだなぁと
by 通りすがりの者ですが (2007-11-17 21:17) 

dendenmushi

@順序が前後しますが、ごめんなさいね。まず、「通りすがりの者ですが」さん、いつもみてくださっているそうで、ありがとうございます。福島のこのへんにゆかりのある方なんでしょうか。
 親知らずは、この「でんでんむしの岬めぐり」でも行きました。ただ,岬らしい岬はないので,いささか苦労しましたが。
 http://blog.so-net.ne.jp/dendenmushimushi/2007-04-29
 ↑「番外」でいちおう書きましたが、周辺も少しだけあります。
 もうお出かけでしょうから,事前情報としては間に合わないかな?
 寒そうですね。気をつけて、行ってらっしゃい。
by dendenmushi (2007-11-18 05:24) 

knaito57

──大事な電話を待っていたが、やむなく電車に乗った。車内でマナーモードの振動があったが出られなかった。これだけケータイ利用者が多いのだから“ケータイ専用車”をつくるべき──といふ“声”が先日の朝日新聞にありました。近年まれにみるバカな意見と思っていたら、早速たしなめる意見がでていました。
人も通らぬ岬ではもちろん、街なかでも公衆電話が少なくなりましたねえ。
竜宮から戻った浦島太郎! 3、4年前のこと、大晦日の深夜に乗った電車でみんながケータイでしゃべっているのを見て唖然、「猿の惑星」に迷い込んだかと思ったものです。
by knaito57 (2007-11-19 07:23) 

dendenmushi

@knaito57(いまさらながら、なんで57なんだろ?)さんは、でんでんむしと同類だから、二人で「そうだそうだ」と言い合ってみても,しょうがないですなあ。
この「knaito57」のところも、リンクボタンになっているんだ。これって、見た目にまったくわからんよねえ。
by dendenmushi (2007-11-20 07:59) 

おじさん

こんにちは。
竜宮岬子供の頃冒険できました。
この岬に隠されたお話。
by おじさん (2018-05-24 21:58) 

dendenmushi

@「おじさん」さん、なるほど、言われてつぶさに地図を確かめてみましたら、岩間の洞窟はたしかに破線で小さく描かれていました。竜宮岬の西寄りの付け根、神社の下あたりを抜けているのですね。この項の写真にも穴がふたつ写っていますが、それではない。
それから昔の渋川橋は、もう現在の地図ではありませんね。
鮫川と渋川の河口が、竜宮岬にまで達していたという昔の光景が想像できます。
火力発電所は、その河口の洲にできているわけですね。
by dendenmushi (2018-05-25 09:11) 

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